折原家
□お昼寝の時間
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「さて、俺は仕事に戻ろうかな」
そう言うと臨也は立ち上がり、いつもの席へと戻ろうとする為、子供達は[えぇー]と口を尖らせつつ、批判すると彼は苦笑し、優しげな目つきで子供達に言い聞かせる。
「俺もお前達と一緒に遊んでいたいんだけどね、これは立派なお仕事なんだ。……お仕事ができないとママや筑紫や紫苑はご飯食べられないんだよ?」
[それでもいいの?]とでも言いたげな臨也の表情に子供達は[いやー]と小さく首を振り、彼の仕事の邪魔をするのは止めたようだ。
と言っても、臨也から散々怒られている子供達は彼に何を言われても逆らえないのだが。
―――臨也が仕事している間に買い物でも行こうかな……。
カチカチカチ、と規則的な音がパソコンから流れ出し、臨也は楽しそうに画面に向かって笑っている。
もしかしたら、田中太郎さんやセットンさんがいるチャットで会話をしているかもしれない。
それを[お仕事]と言っていいのか解らないが、隣の小さなノートパソコンではきちんと何かを調べているような画面が開いている為、チャットをしつつ調べ物をしているような感じだ。
『パパ?ちょっと買い物行ってくるけど、何か欲しい物あるー?』
「ん?……ああ、無いよ。気を付けて行っておいで。くれぐれも遅くならないように。それと……」
『はいはい。解ってるから!』
こちらに耳を貸しつつも目線はパソコンから離そうとしない臨也。
それでも毎日毎日お決まりのように言ってくる言葉は吐き出され、遅くならないように、変な人間にはついて行かないように―――などなどと散々聞かされた言葉だ。
―――どっちが母親なのか解らなくなるよ……。
親が子供に言い聞かせるように臨也は同じ事を言う為、既に子供達は聞く耳は持っていないようだ。それでもきちんと守っているのだから、臨也の力は凄いと感心する。
「いってきまーすっ!」
「とーと、おみあげかってくるー!」
『おみあげ、じゃなくてお土産、ね』
手を振る我が子を、臨也はこちらに向いて微笑みながら片手はキーボードで文字を打ち込み続けている。
器用だな―――と思いつつ、紫苑の間違えを直し、玄関から出て行く。空はあいにくの空模様だ。雨が降らなければいいな、と思いつつ双子の手を取って近くのスーパーへと歩き出した。
「あめあめー!」
「あめふるかなー?」
『どうだろうねー』
――――――……
数時間後 某スーパー内
愛子視点
『……降ってきちゃったね』
「あめ、きらーい」
「じめじめしゅるー」
昼ご飯や夕ご飯などの買い物を済ませていると中に入ってくるお客が傘を持って入ってくる姿を見かけ、気になって空を見上げれば大雨ではないもののザーザーと雨が降っていた。
私だけならばこのまま走って家に帰れば濡れるだけで済むだろう。だが、子供達も一緒に居るのだ。もし、この雨で風邪を引いてしまったら可愛そうなので何か遮るものが必要だ。
失敗したな―――と後悔し、どうやって帰ろうかなと考え事をしていると―――