折原家
□お昼寝の時間
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<お昼寝の時間>
新宿 朝 臨也のマンション
愛子視点
子供達が起きる時間はとても早い。
臨也が起きる時間も早いが、子供達は保育園があってもなくても大体6時とか7時には目が覚めてしまうようで、私達の部屋にやってきて[ママぁ]と起こしに来るのだ。
二人は眠たそうな顔をして、扉から声を掛け、そして返事が無ければ扉を開いて私達を呼んでいるので、それに気付いた臨也と私は、ゆっくりとベッドから起き上がった。
「ん……、もうこんな時間?」
『みたい……。ふぁぁ……眠い』
臨也は目を擦り、まだ眠たそうにしていたので寝た時間を聞いてみれば、[確か4時間前……だったかな]とか言っていたので私は、大きく溜息を吐く。
―――そのうち体調崩さなければいいけど……。
風邪を引くのはいいのだが、隣にいる私に風邪が移るのはやめてほしいし、子供達に移ればもっと大変な事になる。
なので私は一言[無理しないでね]と呟けば、臨也もそれを解っているようで小さく[大丈夫だよ]と言葉を吐き出した。
「ママぁ……おなかすいたー」
「おトイレいきたい……」
『はいはい。先にお手洗いに行こうね』
やっと脳が覚醒してきたのか、眠気も吹っ飛んできたのでベッドから降り、スリッパを履いて二人の元へと向かい、双子の相手を始める。
臨也はそれを見つめつつ、大きな欠伸をするとゆっくりと伸びをし、肩をぐるぐると回していた。
『いざ……、……パパはもう少しゆっくりしてれば?』
「いいよ。俺も起きる。このままだともう一回寝ちゃいそうだし」
いつも臨也と居る時は[臨也]と呼んでしまう為、よく癖で彼の名前を子供達の前で呼んでしまう。
最初はそのまま臨也の名前を呼んでいたのだが、子供達まで[いざや]と呼びだしたので慌てて[パパ][ママ]と呼ぶようになった。
それでも中々癖は抜けず、よく[臨也]と呼んでしまうのだが。臨也はベッドから降りるとスリッパを履いて大きな欠伸をしつつ、先に下へと下りていく。
「ママぁー……」
『あーはいはい。すぐ行こうね』
双子の事をすっかり忘れてしまい、子供達の声で我に返り、慌てて二人を階段から落ちないように支えつつ、下へと下り、姉をトイレがある場所へと連れて行く。
『できたら教えてね』
「うんー」
ドアを開け、便器に座り込んだ筑紫を見つめつつ、声を掛ければ既に出す事に必死な姉は適当に言葉を返し、頑張っているようだ。
弟の方はそのまま臨也の後ろをついて回っている。彼と一緒に居れば何かもらえるかもしれない、そう思ったのだろう。