リクエスト

□怖い事
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リクエスト

今回は苦しむ臨也さん書いてください!肉体的にじゃなくて精神的な方でwなんかこう〜暗いもの背負ってる感じで!ちなみに双子ちゃんは小6ぐらいの設定で!

原作13巻後の話。[折原家]設定の元気に歩ける臨也さんではありません。ご了承ください。


<怖い事>


某マンション

愛子視点


「パパ、おでかけしよー」

「外、すっごくいい天気だよ!」

「ああ、そうだね。それじゃあ出掛けようか」


池袋を離れて数年。

彼と共に逃げた地で二人の子供を授かり、幸せな生活を送っている。

友人達に会う事はできないが、それでもこうやって毎日忙しくとも幸せな笑顔に囲まれ、時に喧嘩し、時に心配し合う―――どこにでもいるような家族になれているような気がする。

二人はニコニコしながら準備を手伝い、特注らしい車椅子を動かして父親が座るのを今か今かと待ち構えている様だ。


「今日はぼくがおしてあげるね!」

「ええええっ、ズルい―!わたしもおしたーいっ!」

「順番でいいじゃないか。喧嘩するならお出掛けは無しだよ」

「「やだっ!」」


元気な二人に振り回される父親はとても大変そうだが、顔は楽しそうなので何も言わず、座って動ける状態になったのを確認した後、私も後ろから子供達の後をついていく。


『怪我しないようにね。パパ、あんまり動けないんだから無理させちゃダメだよ?』

「分かってるよぉ!遥人君におしえてもらったもん!」

「パパも上手だってほめてくれたんだよー?だからだいじょうぶっ!」

『……はいはい。それじゃあ気をつけてね』

「行ってくるよ。まあその辺を散歩する程度だから怪我をするような事は無いと思うけどね」

『パパの心配をしてるの!……もう、パパは自分が自由に動けないって事を自覚しなさいっ』

「……。……そうだね、悪かったよ」


車椅子を玄関から外に出られるように段差をなくした設計となっている方に双子は車椅子をゆっくりと動かしていく中で話をしていたのだが、やはりこの話題はあまり触れられたくない、

というか、言ってほしくなかったらしく、僅かに伏目がちになりながら返事を返す為、何だかこっちの方が悪く感じてしまい、

謝るが[どうして君が謝るんだい?]と全く気にしてない、と言わんばかりの答えを出す為、何も言えなくなってしまう。


―――リハビリすれば動けるようになるんだから……してくれた方が私は嬉しいんだけどなぁ。


旦那―――折原臨也の足は戦争、というのか殺し合いと言うのか、何年も続いた天敵との決着をつけた結果、

歩けなくなってしまい、簡単な事はできるのだが、走り回ったり、今のようにどこかに散歩に行く、という長距離の移動ができない。


怪我は殆ど良くなっているし、悲惨な状態からの復活となれば臨也はよく戻って来られたと思う所かもしれないが、

歩けない理由の半分は精神的なものらしく、私達ではその精神的なものはどうしようもできない。助けたくても助けられない―――そんなもどかしさがあって、

それでも彼は私を隣に置いたまま今の生活を続けており、子供達も生まれた時から車椅子の父親を受け入れ、どこで連れてきたのか、中学生ぐらいの男女の子供達とも仲良くしている。


「「いってきまーすっ!」」

「行ってくるね」

『いってらっしゃい』


―――――――……

臨也視点


「パパ見て―!すっごーーい青ー!晴天、って言うんだよね!」

「もうすぐ夏になるから、父さん、あつくて外出られなくなっちゃうねー」

「それは困ったね。でも、暑いのは苦手だからなぁ」


マンションを出て、近くのコンビニまで、と言わんばかりにゆっくりと車椅子を押しながら歩き始める双子。
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