リクエスト

□たちの悪い人
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リクエスト

舞流が濡れ衣で学校のモンスターペアレントに色々言われて臨也が学校に呼び出されるってお話が読みたいです

青葉あたりも庇ったんだけどすごくて的な男子生徒が九瑠璃に告白して断られて色々因縁つけられ舞流や青葉が守ってたらモンスターペアレントがでてきてみたいな。

青葉も親呼び出されたけど来なくて臨也とヒロインが行くみたいな


<たちの悪い人>


来良学園 校舎裏

視点なし


「あ、あの……っ、こんな所に呼んじゃってすみません……。お、おっ、折原さんにお話がありまして……」

「?」


学校の校舎裏。

用が無ければ入らないような日陰になった部分であり、物好きな人間しか集まらない場所だが、この場には男女が向かい合って立っていた。

一人は緊張した様子で、何かを言おうとしているようだが、恥ずかしくて思うように言葉が出て来なくて視線をあちこちに向け、なるべく相手を見ないようにしているのがすぐに解る。


一方の相手は特に緊張した様子はなく、何故こんな所に呼び出されているのだろうか、と全く解っていない様子だ。

もしかしたら解っていてここに来たのかもしれないが、女の様子からは微塵も感じられず、首を傾げながら男の話に耳を傾けていた。


「そ、その……折原さんは……付き合ってる人とか、その……いるんですか?あの、黒沼とかいう奴と付き合ってたり……」

「否(いない)……友(黒沼君とは友達)」

「そ、そうなんだぁ……。俺、てっきり、黒沼と付き合ってるのかと思ってて……はぁ、良かったぁ」

「?問(どうして気になるの)……?」


淡々とした言葉でも、相手からの否定の言葉をもらって嬉しいのか、心底安心したような声をあげる為、

女は何故目の前の相手が安心するのだろうか、と疑問に感じたのか、素直に問いかけると男は嬉しそうな声音で一言、呟いた。


「付き合ってる人がいないのなら、俺と付き合えますよね」


突然の発言に女はどうしたらそんな答えになるのだろうか―――と驚きと疑問といった感情を顔には出さず、きっぱりと言い切った。


「否(付き合えない)……我(私知らないから)」

「知らないのなら知っていけばいいんですよ。僕、1−Aの上山勇樹です。これから宜しくお願いします」

「否(ごめんなさい)……無(付き合えない)」

「は?知らないんでしょ?なら、知っていけばきっと僕の事、好きになりますから!」


女は精一杯の声で否定するのだが、男はそんな事はどうでもいい、とばかりに先程とは全く違う態度で近付いて行き、手を握った。

近付く距離に女は後ろに下がって手を振り払おうとするが、

男はお構いなしに腕を無理矢理掴み、[これから、宜しくお願いしますね]と強い言葉を吐き出した後、自分の携帯電話を取り出して女の方に片手を出した。


「携帯、貸してください。恋人同士ならアドレスと電話番号ぐらい知ってないとおかしいですからね」

「我(私付き合った覚えないから)……」


逃げようと後ろに下がろうとするが、男は逃がさないように握っている腕に力を込めて、

[早くしないと授業、始まりますよ]と僅かに眉を顰める女の痛がる姿に口元を釣り上げ、言い続ける為、

女―――折原九瑠璃はスタンガンを出そうとしたが、この状況下で男が倒れていたら疑われるのは自分なので無言で携帯電話を取り出して相手に渡した。

ここに片割である妹がいない事を悔やみながら。


「……これでよし、と。彼氏の電話には3回のコールで出て下さいね。それが恋人、ってものですから」

「…………」

「返事、は?」

「……っ、肯(うん)」


恋人、というものがどんなものなのか―――幸せそうな兄の姿が思い浮かび、絶対に目の前にいる相手が言う[恋人]という姿とは違う、

と確信を持っていたが、自分は格闘家タイプではないので逃げたとしてもすぐに掴まってしまうだろう。
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