リクエスト

□受験シーズン
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リクエスト

そろそろ受験シーズンということで双子ちゃんが中3で受験に追われて勉強どーしよ(; ̄Д ̄)って感じで慌てる話書いてください!最終的には臨也に頼るとこまで!


<受験シーズン>


新宿 某中学校

筑紫視点


「来週の月曜日までに第三志望まで書いてくるように」


そう言って回ってきた一枚のプリント。

自分達が行きたい場所を書く為の紙であり、このプリントを元に、両親と話し合って受験する高校や専門学校が決まってくる。


中学1、2年なんて殆ど受験の事なんて一部の人間しか気にしていなかったし、授業であってもどんな職業になりたいのか、そしてその為には何が必要か、を調べるぐらいしかなかった。

それなのにこのプリントをもらう前から―――いや、中学3年になってからかなりの人間が塾であったり、

成績であったりと気にするようになり、もうそんな歳なんだな、なんて暢気に考えていた。


「筑紫はどうするのー?行きたい高校とかないの?」

「うーん、特にないかなぁ。……まああったとしても、お母さん達が通ってた高校かな、って」

「来良学園だっけ。あそこ今、結構偏差値高いよー?筑紫の成績でも行けるかどうか……」

「……そっかー。どうしようかなぁ」


成績は悪い方ではないのだが、偏差値というものはその年によって変わってくる。お母さんが通っていた時は中の上ぐらいだった、とか言ってたが、今は上の中ぐらいらしい。

お父さんが言うには来良学園は元々来神高校という名前だったらしいが、どこかの学校と合体して今の来良学園になったらしい。

来神高校はお父さんと静雄さんが出会った場所であり、あまり思い出したくない―――なんて言いながら、[人生最悪な出会いだったよ]なんて私達に話してくれた。


そして来良学園はお母さんがお父さんに言われて通っていた学校であり、たくさんの友達と出会えた、大切な場所だと嬉しそうに語ってくれた。

そんな両親の思い出のある来良学園に私も通いたい―――そう思ったのはいつからだっただろうか。


―――紫苑に頼んで勉強教えてもらおうかなぁ。


弟は少しずつだが、顔がお父さんに似てきて、よくお母さんが笑いながら[パパみたいになったら大変だよ]なんて言っており、お父さんも笑いながら同意していた。

何が大変なのか解らなかったが、紫苑は[父さんの子供だから難しいよ]なんて困ったような顔をしていた。


「ねえ、勉強教えてよ」

「勉強?何で?」


学校が終わった帰り道。

合流した弟に思った事をそのまま吐き出せば、不思議そうな顔をするので説明するように口を開く。


「紫苑もプリント貰ったんでしょー?私、来良学園を第一志望にするから」

「……そういう事か。それなら丁度いいし、一緒に本屋に行こうよ」

「丁度いい?」

「俺も来良学園が第一志望だから」


―――――――……

数十分後 新宿 某マンション

筑紫視点


『珍しいね。テストじゃないのに』

「まあね。私達ももう中学3年だし、そろそろ本格的に勉強しなきゃって思って」

『……あー、そっか。もうそんな歳になるんだね』


紫苑と一緒に本屋に寄り、とりあえず問題集を買って家へと帰り、服を着替えて筆記用具を手に1階へと下り、

問題を解いているとお母さんが珍しそうな顔で問いかけてくるので包み隠さず話せば、懐かしそうな顔をした後、[頑張ってね]と笑ってくれた。


「気にならないの?どこに行きたいのか、とか……」

『もちろん気になるよ。でも、まだ言いたくないんじゃないの?』

「そんな事ないよ。……私と紫苑、来良学園受けようと思ってるから」

『!……そっか。パパ喜ぶよ』


何も聞いてこないお母さんにちょっとだけ意地悪したくなって問いかければ、少しだけ驚いた顔をした後、小さく笑ってそう言うのでお母さんらしいな、なんて思った。
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