色々な世界の腐蝕と物語

□他人家族計画
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あたしの言葉に眼を見開き、ふっ…と微妙な顔をして言う。



「何だよ急に、つーか鬼道ちゃんとはそういう関係じゃないし。」

「じゃあ何さ?毎日メールしてるんだろ?」



あたしの言ったことが図星のようで、それを言い当てられてしまったからか軽く挙動不審になってた。

深呼吸して呼吸を調える不動に笑いを堪え、そして聞かれた。



「何で、知ってるんだよ。」

「風呂の間に、ちょーっとね。」



ニヤリと笑い携帯を打つモーションをする、彼女じゃねぇくせに何してんだよと言われた。

そうだよ彼女じゃないよとケロッとした顔と声をしてやり、あたしは言った。



「あたしは、不動の家族になるつもりなんだ。」



目的地に向かうその足を止めて、不動は睨んだ…昔のように冷やかに。



「嫁にする気は全くねぇぞ。」



笑いそうになった。

だってアンタには鬼道が居るじゃないと、まだ勇気がなくて付き合ってないだけで恋人並みなこともしてるくせにと。

あたしは不動の言葉を気にせず手をヒラヒラさせて違う違うと否定した。



「そうじゃなくて、どうせアンタは鬼道とくっついて一緒に住むだろうから、あたしはほら…アンタの母親的な位置で居たいだけのよ。」

「…お前、一緒に住みてぇの?つか一緒に住むつもりなのかよ?」

「嫌なら毎日遊びに行かせて貰うような友達の位置で良い…ただ……一緒に居たいのよ、誰を好きでも良いからアンタの側に。」



豆鉄砲喰らったような顔、今日はよく笑わせるなぁと思った。



「あたしが飯作って、2人にそれを食べさせる…3人で働けば金には困んないでしょ?」

「俺の家があるから家賃には困らない、ってか?」

「部屋もあるしね。」

「馬鹿かお前。」

「った!?」



デコピン、ビシッと良い音が聞こえて早歩きに先を行く不動。



「ちょっと!あたしは本気だよ!?アンタ包丁使いは上手いくせに他の事出来ないじゃない!だから家政婦みたいなことしてやろうってのに!!」

「別に誰も働けなんて言ってねーよ、テメェは家で家事でもやっとけ。」

「え。」



あたしはまさか、それって…と焦りを隠せなかった。



「ど…どういう意味…?」

「さぁ、何だと思う?」



やべ、鬼道ちゃん怒るかもと更に急ぐ不動の背中を追い掛けた。

そしてあたしはまだ、父親役が居るって言ってないんだけどな…とどうせ会えるだろうアイツの事を思い出し、もう一度不動の背中を見た。




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