色々な世界の腐蝕と物語

□泣いた笑った
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「逃げるな。」



シーツを取り上げる、それでも尚顔を隠す不動の今の姿はまるでアルマジロ。

くるりと丸まりじっとしてる、少し可愛いと思った。



「不動、顔を見せてくれないか。」

「い・や・だ。」

「素直にならないか。」

「素直に嫌って言ってるんだけど?」



ハァ、と溜め息を1つ。

そしてその不動の脇を容赦無く擽った。



「っわぁ!?」

「眼が真っ赤だ。」



驚き顔を上げた不動の顔を見れば、目元が赤く少し腫れているようにも見えた。

不動は見られた、と言いたそうな顔をして俺を睨んでそっぽを向いた。

俺は目元を撫でた、痛むのか手を払い除けて威嚇のように言われる。



「触んな、何勝手に触ってんだ何様だ。」

「恋人。」

「恥ずかしくねぇの?」

「少し、だがお前が安心するなら。」

「ハァ?」



本気で何言ってるんだという顔をされたが、俺は気にせず言う。



「寂しいなら側に居る、呼ばないのはお前だ…今回は俺が気付いたが、まさかいつも1人で…?」

「だったら何。」



不意にその身体を抱き締め、不動に言う。



「お前は1人じゃないと言うことだ。」



軽く腫れた眼にキスをする、すると。



「いてぇよ!!」

「ぐはっ!」




足で股間を蹴られた。

同じ男として、加減はないのか?と聞きたかったが、痛みで何も言えず、今度は俺がアルマジロになっていた。



「染みるだろ馬鹿!痛〜…!」

「こっちのダメージを考えろ…。」

「ジャッシスルー2を股間にやられるよりマシじゃねぇ?」

「やるつもりだったのか…!?」



んべ、と言う効果音が似合うだろう顔…よく見れば口元がが笑っていた。



「まぁ感謝しといてやるよ。」

「素直じゃない。」

「感謝しねぇって言われるより良いだろ?鬼道ちゃん。」



笑った不動に安心し、その後少し話し一緒に睡眠についた…そして早めに起き、部屋に戻って支度をして。



『今日も同じく、昨日と変わらぬ1日。』




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