龍球の腐蝕

□好き?嫌い?嫌いだし好きである
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「ギォ…!?」



《大嫌いだぁぁぁぁ!!!!》

我は、ブウに嫌われたんだと思う…しょうがないと別々に行動する事になった。



『…。』



嫌われた所で、前と同じに戻っただけだ。










血の池に溺れてみた、ただ苦しいだけで面白くも何とも無い。

此処にブウが居たら多分我とじゃれ合ってくれるのだろう、そして赤く綺麗に染まる姿を見れるのだろう。



「…。」



誰のとも分からない血が口に流れた、起き上がり吐き出す…すると目の前に見えた。

桃色の、魔人。



「…ギュアゥ!」

「…。」



何故追いかけてこない!と我に怒鳴る、それを無視した。

尻尾を掴まれた、そのまま地面に叩きつけられる…大きなクレーターが出来た。



「…ギ。」



痛い、と言えばブウは俺に乗っかって抱きついた。



「…ギゥ…!」

「…グギァ。」



泣きながら馬鹿と言われた、馬鹿で良いと撫でながら答えた。

今、此処に誰も居ない。



『そろそろ、2人も疲れた頃か。』



割り切ったこの世界もそろそろ壊れてしまうかもしれない、そう我は思った。



「…。」

「…。」



ブウは、我の手を離さなかった。

我も…離す気は無かった。



『…お前が望むなら。』



我を殺したっていいんだぞ?

自分でハッとする、違うだろう…それは。



「ギ?」

「…ヴ。」

「ア〜…ヴ?」

「…。」



《何を考えている?》と言われ、別にと返したが…《アレか?》と目の前の血の池を指差した。

手を離さず我の手を引っ張り、一緒に飛び込んだ。





_やはり、血に染まるお前が好きだ。

(抱き締めれば、心地よいのか擦り寄ってきた)
(喉で笑えば何が可笑しいと頬を膨らませるお前)
(我はお前が愛しくて笑ったんだ、と言えばその膨らませた頬が一瞬にして染まった)



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