龍球の腐蝕
□甘い約束
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ケーキは意外にも美味しかった、食べ終わりまた食べたいと思った私って……。
「…きっと、あの人に洗脳させられているんだ…。」
ため息を付く、まぁ好かれるのは嫌いじゃない。
でもすぐに愛してるとか言うあの口、どうにかして欲しい。
「…ハァ。」
「やぁフリーザ、今日も愛くるしいね。」
「こんにちはセルさん、ではさようなら。」
「待ってくれ、ケーキの味を聞きたいのだが？」
「…不味くは無かったです。」
「…そうか、不味くなかったらもう一歩だな。」
得意げな顔をした、まだまだ美味しくなりそうですけど…でもそれは言いません。
絶対に調子に乗りますからね、この蟲の人。
「…。」
「…フリーザ？」
「…次は、チョコレートケーキでも作ってみては？作れるものを作る、完璧な貴方なら出来るんじゃないんですか。」
「！」
何を勘違いしたのか、セルさんは私に笑いかけそしてゆっくりと口を開いた。
「では愛する者のリクエストに答えてチョコレートケーキを作ろう。」
「誰が作れと？」
「作って欲しいと聞こえたのだよ。」
「あぁそうですか。」
「あぁそうだとも。」
ニヤニヤと笑う彼はムカツク顔をしていた、でもチョコレートケーキに少し期待をしていた。
『ハァ…嫌になって来た。』
自分自身に嘘付くのが、そんなのが嫌になった。
でも正直になるのも嫌だ、絶対に調子に乗られるのは嫌だから。
「フリーザ。」
「何です？」
「そんなに私が嫌いか？」
「…ハァ？」
別に嫌いなんて言っていない、でも勘違いされるのはムカツク。
「いつ、私が嫌いと言いましたか？」
「反応がとても嫌がっているように見えるんだが、違うのか？」
「…。」
「違うのなら本当のことを言って欲しい、ハッキリ言ってくれれば私も本望だ。」
「…簡単に好きって言ってばかりの貴方にどうこう言われたくないんですが。」
「私は、君を愛していると言うのに…君は私を愛してくれないのか？」
「じゃあ証明してください。」
「証明？」
「えぇ、私を愛していると言う証明をしてほしいんですよ。」
何だ、簡単なことだな…とセルさんは笑った。
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