力の腐蝕
□何かが芽生えるその前に。
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適当に料理をした、万太郎がそれを食うのを見て微笑ましくなった。
コイツって母性本能とか擽るタイプだな…いや俺は男だけども。
「ケビンの作るもの美味しいね!習ってたりしたの?」
「いや…クロエから少しだけ…。」
「そっかぁ〜…僕も少しミートから習ってみようかな…上手く出来たらケビンにも分けてあげるね!」
「そうか…まぁ、とりあえず食え。」
…可愛いな、コイツ。
食い終わって風呂に入った後、寝る部屋を決めた。
「お前はそっちの部屋を使ってくれ、俺はこっちの部屋に居るからなんかあったら呼べ。」
「分かった、おやすみケビン。」
「おやすみ。」
ワインがあった、それを少し飲んで寝るかと思いマスクを取ってくつろいでいた。
が。
_ゴロゴロゴロ…。
「…ン?」
窓の外で軽く光った。
雷か?と思ったその刹那。
_ドォォン!!!
近い、そして落ちたのだろうか…大きな音が振動となって家を揺らした。
被ろうと手をマスクに伸ばした時だ。
「ケビン今凄い音が!!;」
「!」
怖いのか…それとも焦ったのか、万太郎が部屋に入ってきた。
俺の顔を見て小さく声を出した。
「…あ。」
「大丈夫だろ、ただ心配だから見てくるところだ。」
「…。」
「どうした?怖いのか?」
「いや、カッコいいなーって…思っちゃって。」
「…。」
「ま、まぁ僕の方がカッコいいけどねぇ〜…!」
声が震えてる、とか言ったらきっと怒るだろうな。
一緒に来るか?と聞けばハッとして首を激しく立てに振った、そんな万太郎を連れて外に出る。
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