力の腐蝕

□何かが芽生えるその前に。
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『…此処か。』



見覚えが無いわけではない、数年前に立った一度の息抜きで此処に来た覚えがある。

それから来ていない…家出していたからな…でも凄く懐かしい気分だ、多少の事なら覚えている。



「…万太郎、近くに別荘があるはずだ。」

「え!?」

「行くぞ、雲行きが怪しい…雨が降る前に行かないとお前も困るだろ?」

「じゃあ早く行こうよ!僕濡れたくないからね!!」



文句を言いながらも付いてくるコイツは面白い。









ポツポツと降り始めた頃に別荘に付いた、此処は確か孤島で2・3人だが管理人が居たはず…網に囲まれて居て管理人以外人は居ない…。

そして別荘の鍵は…。



《もし1人出来た時、管理人が見当たらない場合は鍵を壊してもいいぞ☆》



って、ダディに言われていた気がする…言われてなくても言いから鍵は壊すが。

だが鍵は意外にも開いていた、手紙がテーブルの上に置いてあった。



「何々…《ケビン様へ、管理人は1人に抑えて居ますのでどうぞごゆっくり2人の時間を…》ってふざけんな!!」

「狽、わ、どうしたのケビン…。」

「しばらくは2人の時間をどうのこうのとかほざきやがった…!」

「ハァ?ン〜でも、しばらく護衛の仕事休んでて良いんでしょ?だったら僕ちゃん嬉しいな〜w」

「…え。」



…万太郎が良いなら、いいかとか思ってしまう俺って…。

そんなことを考えながら、俺は冷蔵庫の中の物を見た…明らか長居させる気だ。



「ねぇねぇ、お風呂とかあるんでしょ?見てきていい?」

「あ、あぁ…。」

「じゃあそのまま沸かしてくるね〜!」

「…元気だな…。」



…何のための羽安めなんだ?これは…。

そんなことを思いながら入っていた食料を手にして、軽く料理を作った。



『1人暮らし、舐めるなよな。』




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