色々な世界の腐蝕と物語
□他人家族計画
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※高校生設定
朝起きて、支度をして、扉を開けたら小鳥遊が立っていた。
「…どうした訳。」
「会いたくなった、でも出掛けるみたいだね。」
「悪い、今から別の奴と会う約束してんだ。」
「…それって鬼道?」
「ん?あぁ、まぁな。」
…俺は一応、高校に通うことにして居た…愛知の、真・帝国学園の皆ととある高校に。
小鳥遊忍も、一緒に。
「じゃあ途中まで。」
「それで良いなら構わねーよ、行こうぜ。」
「あぁうん、分かった。」
すたすたと歩幅を合わせて歩く…小鳥遊は俺の家庭のことや、今はどう生活してるかとか、色々知ってる。
聞かれてしつこくって…話したら驚いて、でも優しく接された、柄じゃないくせに…優しく。
「前から約束してたんだ?」
「電話で一緒にサッカーやりてぇ、って話してたらじゃあ会いに行くって言われてよ…それが今日。」
「サッカーか…良いな。」
小鳥遊は誰も居ない俺の家によく飯を作りに来てくれているらしく、たまに美味そうな晩飯が置かれていることがある。
それについては、合鍵を奪われたので出入りが自由なのだから当たり前だった…更に雑誌を持ち込んでお邪魔してます、なんてこともある。
まるでそれは兄弟のように、何事もないかのようにくつろいで。
「…鬼道ちゃんが良いって言ったら、一緒に行かねぇ?」
「…良いの?」
「ん、俺も小鳥遊と久し振りにサッカーやりてぇし。」
「そっか…ありがと。」
2、3日前にも当たり前のようにお帰り、と家に居て…ちょっと聞いてみたら《不動にも、自分が帰ってきた時の他人のお帰り…を聞いて貰いたくて》…なんて言いやがって。
それに俺は不覚にも、有り難うと口に出してしまった…からかわれるかと思って言いたくなかったが、それを聞いた小鳥遊は笑った、普通に可愛らしく。
「…不動!」
「あ?」
考え事をして居た俺に、笑ってバシンと背中を押した小鳥遊。
何だよ、って言ったら。
「鬼道と上手くやんなよ!」
と、言われた。
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