力の腐蝕
□足りない言葉
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「サンシャイン、このチャンネル面白くないぞ。」
「あぁ、じゃあ別のにするか。」
「テレビはもういい、少し構え。」
イチャイチャしているサンシャインとアシュラ、何で…何で……。
「俺の家でイチャついてるんだよ。」
「本当はカーメンに合いに来たんだが、出かけているのなら待つしかないだろう?」
「ウザいんだが。」
「ウザくて結構、それよりカーメンはいつ帰ってくるんだ。」
それに俺はう、と言葉に詰まる…それもそのはず…本当は出かけたというより家出に近い。
遡る事約一時間前。
_ブロッケン、お前はわらわが嫌いか。
「は?」
何言ってんだと軽く返したら、じゃあどう思っているかと聞いてきた…どうって…と、それがいけなかったのかもしれない。
「…もう知らぬわ!」
「な、待て!どうしたんだ!?」
呆気に取られて追いかけることも出来ず、それから帰って来ていない。
『あれだけで怒ると思う訳無いだろ…。』
最近あまり構わなかったのは確かだが、だからって…。
「言っておくが、カーメンに会うまで帰らないからな。」
「は!?」
「今日の飯は何だ?」
「いやいやいや!!!飯はいつもカーメンが…!」
…あ。
『そうだ、いつも。』
作ってくれているのはあいつだ、いつも気付いて何かをしてくれているのは。
「……ちょっと探してくる。」
「む?そうか、では留守番しておく。」
「あぁ頼んだ!」
走る、俺が構わなくてもって考えてたあいつは……。
『…あいつは…。』
何も言わず…いつも側に居たじゃないか!!!
しばらく走る…そして見つける、あの後姿。
「っカーメン!!!」
「!」
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