力の腐蝕

□大丈夫、俺にとってお前は《ただの》…。
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バサバサと、羽を動かした。

天使のようだと言われたこともあった、その時は流石に驚いたが。



『嬉しかった。』



ブラックはどう思っているだろうか。

私をどう思っているだろうか。



『…そして…。』



…ドーナツとベーグル、どっちが良いだろうか?

会いに行くついでに土産を買うことにした、どちらかなんて面倒で両方買ってしまった。










「ハイ、お土産。」

「おー!」



玄関、店の袋だけで眼が変わったように見えた。

渡せば嬉しいのかドーナツの箱とベーグルの箱を開いてがっつくブラック…それにちょっと笑った。



「…何が可笑しいんだ?」

「可愛く見えた。」

「そうか?まぁいいか、ン。」



1個差し出されたのでそれを口に咥えた、それをもぐもぐと食べて思い出す。



「これ、お前の好きなドーナツじゃないか?」

「まぁな。」

「一口食べてしまったが、返す。」

「良いから食え。」

「でも。」

「好きなもの食べてもらいたかったんだ、俺が我慢する変わりにちゃあんと味わって食え。」



な?と笑って言う、私はちゃんと味わって食べた。

好きなものを食べて欲しいって、どれだけ嬉しい言葉か分かって言っているのだろうか?



『そうじゃなきゃ天然殺しだ…。』



私が赤くなる、すると気付いたのか。



「何赤くなってんだ?w」



ブラックが私を見てニヤニヤする。

私はドーナツを食べながらだが言う。



「う、五月蝿い…。」

「可愛い可愛いww」

「子供扱いするな!確かに少し子供っぽい所もあるが…!」

「分かってる分かってるww」



かしかしと撫でられる、可愛い可愛いと連呼されたら更に照れる。



「ン?そういえば今日は泊まっていくのか?」

「あぁ、まぁ…。」

「OK、分かった。」



じゃあ今夜の飯は豪華になるな!と喜ぶブラック、私が料理出来るからって自分でしないのは頂けないな…。



『全く、それでも1人暮らしやっていけてるんだろうか?』



私が居ないと身体の調子が悪くなったりするらしいじゃないか、超人として可笑しくないか?あぁ、可笑しいな。

私が居れば変わるとでも言っているような気もする。



『子供扱いするわりに、自分が子供らしい。』




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