力の腐蝕

□それは夢?
1ページ/3ページ




笑う・怒る・泣く・驚く。

そして、無表情。



『全部欲しい。』



言ったら、怖がるかな。

恐怖の表情で…私にしか分からない表情で。



『なぁ?ブラック。』



くれるか?お前の全て。










「ペンタゴン!」

「何だ?ブラック。」



私の名前が呼ばれた、一緒に出かけないかという誘いだったら良いな…。

こうやっていつも願う、そうするといつも叶う。



「一緒に飯でも食いに行かないか?」

「…あぁ、行く。」



ほら、叶った。

私は普通に接しているが心では他人にとって少し怖い事を思っているのかもしれない。



「それで、お前はハンバーガーだろう?」

「勿論だ。」

「お前が断ることって無いよな。」

「…当たり前だろう。」

「当たり前か?」



あぁ、当たり前だ…ブラックが呼んでくれているのだから。

ふと顔を見る、笑っている顔だ…私にしか分からない…。



『その私に向けられる表情、私しか分からないその表情。』

「…ペンタゴン?」

『欲しい。』



心の言葉で動く私の身体、抱き締める。



「ペンタ…?」

「…ブラック…。」

「…?」



自我に戻る、駄目だと自分に言い聞かせ止まる。

何をしているんだ…?



「…ゴメン…ブラック…。」



好きになってゴメンなさい、自分でも分からない…けど私はそう言ったような気がした。

私は泣き始めた、自分でも分からないくらいに。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ