力の腐蝕
□素直を隠す
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大好きだ、って正直に言えないことがあるだろう…それは誰でも同じだろうけど…。
「なーデートしようぜー?奢るからさー。」
スカーフェイス…コ イ ツ は 違 う 。
いや、何で俺に付きまとう?いやいやだって…男同士だし?ビジュアル的にもいけてるとかいけてないとかの問題じゃない…し…。
「…あの。」
「ン?ってか何で敬語。」
「…いや、デートとか…マジ勘弁…。」
「そんな事言わないで!俺の胸に飛び込め!」
「断る!!」
うわー標識丸鋸でボッロボロにしたい、この2メートルの悪行超人。
スカーってこんな奴だっけ?ってかもう嫌になってくる…。
「なーなー「五月蝿い!もういい加減付いて来るの止めろ!!」
「嫌に決まってんだろ、デートしようぜ?な?」
「しつこい。」
切れていいか?って思った、が正義超人として切れてしまうのはあまりにも大人げない気がする。
「切れない内にやめてくれ。」
「切れてもいいからデートしようぜ?」
「嫌だ、おかしいだろう?普通男同士でデートなんて。」
「おかしくないね、じゃあ男女だったら普通っていうのもおかしくないか?」
「何故だ?」
「子孫を残すから男女、とかそういうのは勝手な思い込みだろ?男同士だろうが女同士だろうがそれは普通なんだよ。」
だが一般的じゃないだろう、とか言う前に。
「ってことだ、行こうぜ!」
「何故そうなる!?嫌だ!」
「俺が強行突破する前にOKって言わないと本気出すぞ?」
「お前なぁ…!」
全く、とため息をついた。
まぁ一度だけで諦めるなら付き合ってもいいだろうと思った。
「…じゃあ今回だけだ、その後は2度とないぞ。」
「っそれでも!」
「…えぇぇ…。」
「おっしゃー!!」
…OKしなきゃよかった。
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