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□拍手文(7月)
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七夕。
「ねぇ、静雄。7日、晴れるかな?」
「…んだよ、急に」
私はお風呂から上がって、火照った体を冷やすために静雄とマンションのベランダに出て夜の空気を吸っていた。
「ほら、七夕だよ。七夕!!」
「あぁ、1年に1度ってやつな」
そう言って静雄は指に挟んでいたタバコを口元に運び煙を吸い込んだ。
「…毎回雨が降っちゃうじゃない?」
「ああ、そうだな」
ふわりとタバコの煙がゆっくりと夜の闇に消えてゆく
「可愛そうだよね。好きな人と1年も離れ離れなんてさ、」
¨でも、ロマンチックで良いよね¨
そう言ってから静雄の方に顔を向けた。
月の明かりに照らされていて何時もより一層静雄の金色の髪が綺麗に見える。
「そーだなぁ…でもよ、俺だったらお前に会いに天の川でも太平洋でも泳いでいく」
「…し、静雄!?…もしかして酔ってる?」
私は何時もより雄弁な静雄をみて焦る。
ーーー何時もならこんなこと言わない筈なのに…
「酔ってなんかねぇよ、ただそう思っただけだ」
くしゃり、とタバコの火を消して静雄はくるりと体を私の方へ向けた。
「1年に1度じゃ嫌だ、ロマンチックとかそんなのどうだって良い。俺は毎日、…いや、ずっとお前の傍にいたい」
「し、静雄っ……!!」
私が口を開こうとした瞬間に静雄の唇が私の唇と重なる。
あぁ、やっぱり訂正。
彦星と織姫には悪いけど、やっぱり好きな人とずっと一緒に居られる方がロマンチックだ