トレスボックス・文

□第31話
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あれから真城と高木は残りの話を良い展開へと持っていくために、担当の美浦といろいろ話し合ったらしい。

その日高木から蓮に電話が来たのだ。
その時言われた。
港浦さんにギャグマンガがいいと言われたと。

『私からの意見。あんたたちはギャグでは売れないと思う。もっとこう…たとえるならばこの世は金と知恵みたいな話が私は好きだな』

”「サイコーも俺にはギャグじゃだめだって言ってた。」”

『だろうね。その港浦さん、ハズレだね。私からすれば。』

”「あぁ…」”

『ま、頑張ってよ。私は応援するよ。』



そう言って電話を切った。

『(無茶だけはしないでね…)』


蓮は携帯を握りしめてそう思った。



―――――
―――――――



「なんで日本人なのに英語勉強しなきゃいけないのよ」

「うるせーな、ガキみたいな事言ってねーで黙ってやれよ!」


蓮、香耶、高木、真城は一緒に勉強をしていた。
しかし彼ら二人にはそんな余裕はなかった。
香耶の嘆きに高木は怒ったのだ。


『全く、担当にハッキリ言ったらいいじゃない。僕たちはギャグにむいていないので書きませんって』

「それが言えたら苦労しねぇよ」


高木はため息をつきながらそう言った。


『でももう一度話し合った方がいいよ』

「あぁ/だな」


その頃―――…

中井が住んでいるマンションの彼の所のポストだけ新聞や広告を取っていないようでたまっていた。

当の本人は部屋のど真ん中で体育座りをしていた。
そして携帯を取り出し電話帳を開いて数少ない登録の中から彼の相方、蒼樹に電話をした。
蒼樹もそれに気付き電話に出た。


「………中井です…………」

“「こんにちは」”

「次の作品考えてますか?」

“「いえ、まだ何も……」”

「僕達の…蒼樹紅と中井巧朗の次の作品お願いします」


中井がそう言うと、蒼樹はもうジャンプでは描かないことを告げた。
そして少女マンガを描くと。

しかし中井は必死に説得をした。
自分は蒼樹の原作で描きたいと。
だけど、彼は蒼樹の原作で描きたいと言った。
何故そこまで蒼樹にこだわるのか…。




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