long青エク

□迷い子
1ページ/2ページ







はじめまして

あたしの名前は
一ノ瀬あい。

高校1年



今日は友達と一緒に、正十字学園の学園祭をみに来ていたんだけど。









完璧に逸れてしまった…。










「どーしよう……。」



あたしが、
友達をさがす為にウロウロしていたら
人通りの少ない所に来てしまっていた。












ドンッ――








「いたた…。」



?『 ん? 』
「!!!!」


あたしは、
祭の屋台で買ったであろう、お菓子やら、食べ物をいっぱい持った、緑色のトンガリ頭の人とぶつかっていた。


「うわっ!!す、すみません!!」


トンガリ頭『 はあ。 誰です貴女? 』



「へ?」

あたしは、思わず変な声がでてしまった。

だって普通そこは。
『大丈夫ですか?』とかではないのだろうか?










「い、一ノ瀬あいで、す。」



トンガリ頭『 あいですか。 』

「はい…。」






なんだこの会話ッ?!

しかも呼び捨て?!








トンガリ頭『…。』

「…。」








なんだこの空気………。


あたしは、この空気に我慢できなくて





「あ、あなたのお名前は…?」




トンガリ頭『あぁ。 僕の名前は、アマイモンです。 悪魔の王様です。 』




















わぁぁぁ!!!
この人絶対やばい人だ!!


名前も、言ってることも、格好も、
無茶苦茶だし、絶対おかしいよッ!!!



あたしは一応こたえた。










「は、はあ…凄いんですね!!







アマイモン『 …。 人間にそんな事を言われたのは、初めてです。』




「 はあ。 」






あたしは、アマイモンさんの発言についていけずに、相槌をうっていると






アマイモン『僕はそろそろ帰ります。 兄上に怒られてしまうので。』



「はあ…。」


いまどき
兄上??






アマイモン『それでは、また。』



そう言うとアマイモンさんは、ビョーンと、人間だとは思えないほど高く跳んでいってしまった。










「ほんとに、悪魔の王様なのかも!?」








あたしが、アマイモンさんの去って行った空をみていると。










コツン――




「いったぁ―

空から
鍵のような物が落ちてきた。






「アマイモンさんのかな?」






あたしは、鍵をポケットにしまった。










その後、友達をさがす為にウロウロしていると
路地裏のような所に
迷いこんでしまっていた。


「やばいなぁ





あたしが
足早に歩いていると










後ろから。





男『ねーね?』

「ん?」

あたしが振り向くと
いかにもヤンキー面の男が
立っていた。



男『いま一人?俺と遊ばねぇ?』










嘘。ナンパ?!
どうしよう。











「あたし、彼氏がそこの角で待ってるんで。」


咄嗟に嘘をついて、正面を向いて歩きだそうとすると














ガシッ――



男『いいから、来いよ!!』









「いやッ!!!!」


肩を掴まれて、壁に腕を押し付けられて、身動きがとれなくなってしまった。





男『襲って欲しくてこんな所歩いてたんだろう?』


「違っ!!やめてッ!!!」



あたしが叫ぶと同時に男が声をあげた。



男『うがぁッ!!!』


「きゃッ!!!」

それと同時に男が覆いかぶさってきた。




あたしが、目をギュッと閉じると、














?『 大丈夫ですか? あい。』




「ふぇ…?」

あたしが目をひらくと




「アマイモンさんッ?!」


アマイモン『はい。 』

アマイモンさんは、片手に男を掴みながら、返事をした。



男『お、俺が悪かった!!!離してくれ!!!』





アマイモン『どーしようかなァ?…兄上には止められていたけど、殺してしまおうかな…。』







あたしは
本当にアマイモンさんが、その男を殺してしまうんじゃないかと思った。








「!!!! 駄目だよ!!アマイモンさん!!人を殺すなんて!!!










アマイモン『あいがそう言うのであれば、やめておきます。』


そう言うとアマイモンさんは、
男を離してあげた。



男『ば、化け物だー!!!!














「あの、アマイモンさん!!助けてくれてありがとうございました!!」



アマイモン『はい。 』


「それと、これ!!!」

あたしは、さっき拾った鍵を渡した。






アマイモン『 ありがとうございます。 では。』





また、跳んで行ってしまうのかと、思えば

アマイモンさんは、近くにあった扉に、あたしが渡した鍵を差し込み中へ入って行った。








「 ま、待って!!!」

あたしは、それ以上路地裏に一人でいるのが怖くなってしまい、扉が閉まるギリギリで滑りこんだ。
















すると
そこには、ピンクのキングベッドがひとつ置いてある、一面ピンク一色の部屋だった。










辺りを見渡しても
アマイモンさんの姿は、何処にもなかった。










あたしは、
諦めて路地裏に戻ろうと入って来た扉を開けようとすると













ガコンッガコンッ――


「えッ?」










ガコンッガコンッガコンッガコンッガコンッガコンッガコンッ――













「嘘でしょ!!!開かない!!!!!
















あたしは何時間ドアノブを回し続けただろう。


















ピンク色の謎の部屋には、ハート型の窓がついているが、そこもびくともしない。




窓からは正十字学園も見えないし、外はすでに暗くなってしまっていた。







「どーしたらいーの?!誰かぁぁぁ!!居ませんかー?!」




あたしは、ピンクのキングベッドにダイブしながら叫んだ。







「アマイモンさぁぁぁん!!!」






すると。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ