短編なり。

□疑問
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「何やってるんだよ・・・俺って・・・」

 時間的には昼時、しかしあたり一面は夜も更けたような暗がりの中に俺はいた。

 魔除けの森

 近隣の住人達はそう呼んでいた。

 しかし、街の南側に広がるその森には、誰一人として近づくものはいなかった。

 [魔除け]の本当の意味は、[魔すらも近づかない]と言う意味だそうだ。

 力自慢と言うわけではないが、森の中にあると伝えられている一振りの剣を見つけ出すために俺は単身森の中に入ることを決意し、装備万端、早朝から森の中に入っていった。

「こりゃ、確かに魔物も近づくことはないわな・・・」

 早朝から森の中心に向かって歩を進めていた。森の中心に進めば進むほど、辺りは暗がりを増やし、空からの光は森の木々や葉の重なりによって遮られていく。

「やれやれ、だいぶ暗がりにも目が慣れてきた・・・そろそろ反撃開始といきますか。」

 夕闇は無く、ただただ闇へと向かっていくような感覚、瞬く星もなく、月も無いこの森の奥へ進む途中には、過去にこの森に挑んだのであろう先駆者達の残骸が何かを語りかけているかのように辺りに散らばっていた。

「持ってきた剣は2本か・・・もう1本持ってきたほうがよかったかな。」

 辺りは闇に鎖され、時間の感覚が無くなっていく。それでも歩みを止めることなく、森の中心部へ向かっていく。方向感覚だけは強力な呪力を帯びたコンパスによって保たれていた。

「よし、そろそろ化け物退治といきますか。」

 コンパスに導かれるように森の中心部に向かう、あたり一面暗がりにも関わらず、その闇は深さを増していくように感じられる。五感すら奪われるような感覚。しかしそれは目指している森の中心に近づいている確信にも近づいていた。

「いきなり1振り無くなるのはちょっときついけど仕方が無いか・・・」

 ゆっくりと確実に歩を進める。しかし森の暗闇に臆することなく進んでいるその足を、とめる気配に俺は気づいてしまった。

「さぁて、遠慮なくいこうか!」

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