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自室から出てまっすぐキッチンへ向かう。
お昼はなにがいいかなー。

熱とかなさそうだったけど、峠を越えたばかりだから油断できない。
流動食にしようかな、となるべく胃に優しい食材をスマフォでググってみた。

……適当に鍋を出して白粥にしようと決めた。
食材なかったんです、はい。

粥を作っている途中で、カウンターに置いたスマフォが軽快な着信音を奏でる。

着メロである流行りのポップスは、飲み会にいった時に同僚が勝手に設定してくれやがった。



「……もしもし。あぁ、こんにちわ。今日ですか?たしか5日有給ですが……無理ですね、急用が入ってしまって……はい、すみません。埋め合わせはまた出社の際に。はい、それでは……」



画面をタッチして会話を終了する。
どうやら同僚と平がヤッチマッタナしてしまったらしいが、残念なことに今日から俺は溜まりに溜まった有給を消化せねばならん。
それにあちらにいる人達でなんとかできる案件だしな。

我が社には『有給は絶対にとること』と『有給中は呼び出しNG』という素晴らしい社訓があるので、黄門様の印籠のごとくありがたく振りかざさせてもらう。
そして俺が勤めている会社は基本土日はお休み。
ついでに今日は月曜日。
……おわかり頂けただろうか。
俺は事実上、一週間のお休みを会社から拝借している。
これだからこの会社は止められない。

味をたしかめて小さな土鍋に移す。
IHだと使えなくなってしまったのが残念でならない。
白粥を冷ましている間に小皿に梅干しを一つのせて、レンゲをお盆に置く。
塩味足りなかったら梅干しでおぎなってもらおう。
なにせ調理中になくなった。あとで買い足しにいこう。

ある程度冷めた土鍋を、畳んだタオルを敷いたお盆の上にのせる。
小皿とお茶のはいった湯のみものせて、俺はまた自室へ向かった。



フロールリジの昼餉のんびりと





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なんかふつーの社会人だ・・・・・・?
ぶっちゃけ、こんなに休みは取れない

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