中編&短編用
□12
1ページ/1ページ
……あぁ、バレたかな。
まぁこれだけ近くで魔術を使えば、いくら弱っていても気づくよな。
そろそろ全部伝えるべきなのかな……。
う〜ん。雁夜先輩は安全だと思うな……。
他人が犠牲になるのは絶対に嫌な人だ。
いやしかしどこから情報が漏れるかわからないし……。
「いやいやいやいやいや」
今から治療する人がなにか秘密にしているってわかってて、相手もそれをわかってて、それでも内緒にしてる……。
俺はそんなの嫌だなぁ。
そんな人信用できない。
「うっし、気合い入れてけ、俺」
先輩と出会って12年が経った。
12年間、俺はあんな優しくて愛しい人に嘘を吐いて騙していたんだ。
「胸くそ悪ぃ」
ちゃんと、全部話そう。包み隠さずに。
いままで秘密にしてきた事ぜんぶ。
それが俺の、ケジメだと思うから。
広くさすらうものの覚悟
----------------------