中編&短編用
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そろそろ、先輩の体内に残っている……蟲?だっけ……を駆除しないと。
これから周期的に吐き気をもよおすようになったら、きっとキツい。
それが食事のたびにああなるのは精神的にも辛いだろうし。
なにかいい案はないかな……。
強力な虫下しでも与えたら……いや、人体に影響が出ちゃうかも。
それは避けたいなぁ……と、トイレの前の廊下で壁に背を預けながら考える。
手っ取り早くやっちゃうなら虫下し……でも人体にどんな影響が出るか不安。
時間がかかってもいいなら俺がちょっとずつアレする……でも回復してきているとは言えども先輩の体力不足が難点。
ならば。
「二つ組み合わせて……俺が一気にアレしちゃえば」
でもなぁ。そうするとなぁ。
「いままで隠しきっていたことがモロバレっつーことだな」
どんな反応が返されるのか、怖い。とても、恐ろしい。
好いている人に嫌われたくない。
慕っている人に見放されたくない。
尊敬してる人に蔑まれたくない。
恋し愛する人に厭われたくない。
でも、それは。
「結局は、先輩を見殺しにするだけじゃないか」
余命幾ばくもないあの人を救いたい。
幼いあの頃、思ったこと。
逃げ出したこと。
救えなかったこと。
悔やんだことだった。
今度は、後悔しないように、救えるように、逃げ出さないように、叶えるために。
「行動するんだろ、大人になった俺」
あの頃助けられなかった人と子供だった俺は、もう居ないのだから。
人間たちの友の懊悩
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もちろんBGMはおじさんの喘ぎ声(笑)