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これからも楽しんでいただけるよう頑張ります^^*

ここからはシズイザ小説です。ご自由にお読み下さい。

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「シーズちゃん」

漆黒の艶髪がさらりと揺れる。
薄暗いベッドの上、静雄の上に乗る臨也が楽しそうに囁いた。
情事の後の臨也の身体は、思うよりも冷たい。臨也の平熱が低いからか、すぐに体温が下がる体質なのか、それとも然程行為に快楽を覚えなかったのか。
一番最後は嫌だとぼんやりと思っていれば、臨也は反応しなかった静雄を睨みながら、先刻まで自身の内壁を熱く穿っていたそれをぎゅうと握り締めた。

「ッてぇ!!」

「ふぅん、頑丈なシズちゃんでも急所はちゃんと痛いんだね」

「当たり前だろ!早く離せ!」

無理矢理にその手を剥がせば、臨也はカラカラと楽しそうに笑って静雄の隣に寝転がった。
その白さと胸板の薄さに、儚さを感じる。実際、こいつの中身は儚さとは遠く掛け離れているのだけれど。
臨也は、赤く深い瞳で静雄を見て、急に大人びて笑った。吸い込まれそうだ、と思った。

「何、シズちゃん、考え事?そんな鳥頭で?」

「うっせぇな、余計なお世話だ」

怒ったように臨也と反対側へ寝返りを打てば、そんなに拗ねなくてもいいじゃん、と臨也こそ拗ねたような口調で呟き、静雄の背中にぴたりとくっついた。首筋を掠める吐息が、先刻落ち着いたはずの情欲を掻き立てるとも知らないで。
…否、もしかしたらこの展開も既に予想していたのかもしれない。そうなれば、反抗もしてしまいたくなるというもの。
――でもそれは、次回からということで。

「おい」

「ん?」

「また襲うぞ」

低く唸れば、背中の臨也の呼吸が止まる。
しかしすぐに、凛とした涼やかな音色が耳を擽った。

「いいよ、許してあげる」

振り返れば、淫らな色を消しきらない臨也の笑み。

「許してあげるって、何様だ手前」

「んー…、ふふ。シズちゃんが大好きな鬱陶しい臨也くんだよ」

「何だそれ、意味分かんねぇ」

「分かんなくないでしょ。シズちゃんのこ――」


「もう、黙れ」


一言呟き、同時に寝転がる臨也の上に被いかぶさった。
静雄の下、整った顔が情欲に歪む。その表情すらも、至極綺麗なものに思えた。

「元気だね」

「手前も充分その気だろ」

臨也は口元だけで笑うと、静雄の首に抱き着いた。
そして静雄の耳元、甘く、そして淑やかにすら聞こえる声が囁いた言葉。


「俺以外とこんなことしたら、一生許さないから」


首元に絡まる細い腕。
それは、捕らえたら離さないという呪いにも、いつでも殺せるという暗示にも、そして愛しいのだという証にも思えた。



ああ、麗しき漆黒のリリィ。

(その美しい漆黒で、俺を惑わせて)


end
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静臨小説1つ





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