10/19の日記
08:25
シズイザかわいい(小説・若干裏要素注意)
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「おい何そっぽ向いてんだよ」
静雄の声に、臨也は顔を埋めていた布団から顔を上げた。
パチリと合った視線に堪えられず再び布団に埋まれば、静雄に不審そうな声をあげられる。
「今更恥ずかしいのかよ」
「…煩い」
今更、って。
今更も何も、こんなこと、いつまで経っても恥ずかしい。
そうなのだから、今日は一段と羞恥がわくに決まっている。
しかし臨也が黙れば静雄は中々自分から口を開こうとしない。こんな時こそ話してほしいというのに。
沈黙に堪えられず、臨也はぽつりと口を開いた。
「声…抑えられなかった」
ほんの呟くような声だったに関わらず、静雄から、ん、と小さく返事が返ってくる。
その程度か、とは思ったものの、逆に心配になってしまう。
思わず、臨也は静雄に問いかけた。
「…引いてない?」
「あ?」
「何て言うか…はし、たない、っていうか、さ…引いた…?」
きょとん、と目を丸くした静雄に、臨也は口をつぐんで睨むように彼を見やった。
会うのも久し振りだったのに、行為自体が久し振りでないはずがない。過剰なくらい反応して、必死にシーツを噛んで声を殺していたのに、途中からそれすらも出来なくなってしまった。
そんなこんなで喚くように喘いだのだから、恥ずかしくないはずがない。
終わったあとに襲い来る羞恥は普段の比ではなく。
僅かに間を置き、臨也の言葉の断片から理解したらしい静雄は、ふっと笑った。
「シーツ、手前のせいでぐしゃぐしゃだしな」
「…そうだね」
ぶっきら棒に返しつつもいたたまれなくなって布団に再び埋まれば、静雄の柔らかな笑い声が耳を擽り。
ぴくりと跳ねた臨也に、静雄は甘く囁いた。
「可愛かった」
ああもう、馬鹿シズちゃん。
好き。
END
シズイザかわいいでござる…!
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