Novel1

□嘘吐きシンデレラ
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普段なら堂々と歩ける街中が、妙に居づらい。
早々に終わらせようと歩を進めながら、臨也は極まりの悪い顔で道の端を歩いた。


「ねぇ、君、ひとり?」

「…は?」

突然立ちはだかってきた男二人に行く手を阻まれ、臨也は思わず足を止めた。
聞いた言葉は古めかしくすら感じるナンパの常套句。
男が男をナンパなんて、と思ったが。

「…暇じゃないの」

臨也は声のトーンを明るくすると、そう言って二人の男をかわして再び歩を進めた。

そうだ、女装してたんだったな…。
だが、ナンパされるほど女に見えるとは思わなかった。
確かに、明らかに男と判るような奴が、長髪でスカート、おまけに化粧までして歩いていたら頂けないのだが、本物の女の中から選りすぐって自分に辿り着くのも大したものだ。

あれだけ嫌悪を滲ませた顔をしていた臨也だったが、既にいつもの鬱陶しいほどの爽やかな笑顔を浮かべ、風俗店へと向かった。



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