Novel1

□Clap&etc
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「シズちゃん、今日は何の日か知ってる?」

臨也の唐突な言葉に、静雄は首をかしげた。
その様子に、臨也は、はぁ、とわざとらしく溜め息を吐いて見せる。
それに気分を害したように眉をひそめた静雄へ、臨也は口を開いた。

「2ヶ月!心当たりは?」

「――あぁ」

思い出した。
『付き合って2ヶ月』。
静雄は「忘れてた」と苦笑を漏らす。
もう、と口を尖らせた臨也だったが、その頬を緩ませた。

「早いね、2ヶ月って」

「思ってたより、な」

そう答えると、臨也は思い付いたように目を煌めかせて静雄を見た。
普段見ないような表情にドキリとしながら臨也に視線を合わせると、全く意識していない臨也はニコリと笑う。

「1ヶ月過ぎるごとに、一回ずつチューを増やしてくとか、どう?」

「…はぁ?」

無邪気な笑顔で言った臨也に対し、静雄は理解できずに首を傾げた。
だからぁ、と不貞腐れたような声をあげながらも、臨也は説明した。

「2ヶ月なら2回、3ヶ月なら3回、ってキスの回数を増やしてくだけ。お祝いのキス、みたいな」

説明した後に、臨也は照れたように笑った。
その笑顔が可愛くて。

静雄は唇を重ねた。
ちゅ、と甘い音が響き、離されると、臨也は頬を緩めた。

「…はやい」

呟かれた声に、静雄は笑みを溢す。
臨也は静雄を睨み付けると、
今度は自分から唇を重ねた。

「な…」

「仕返し!これで2回!」

キョトン、とする静雄へ独り満足げに言った臨也は、その表情を直ぐに崩した。
愛嬌に満ちた笑顔は、嬉しそうに言う。

「来月は3回、だからね」

「知ってる」


来月も、再来月も、
ずっと、ずぅっと、ね?





END

サイト開設2ヶ月記念SSでした。
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