Novel1

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「臨也さん?」

池袋を散策中。
臨也は、後ろからの声に振り返った。
そこには、学生服を着た黒髪の少年が立っていた。

「やぁ、帝人くん」

臨也はそう言って立ち止まり、帝人に作ったような笑顔を向けた。
帝人も、愛想の良い、幼さの残る笑顔を浮かべる。

帝人は臨也に歩み寄り、無邪気な笑顔のまま臨也に話しかけた。

「久しぶりです、って言ってもチャットじゃよく会いますけど」

「やだな、俺は甘楽じゃなくて折原臨也だよ」

ふざけた様に臨也は返す。
帝人は苦笑を漏らしながら頷き、
唐突に「そう言えば」と口を開いた。

「臨也さんと話したいことがあるんですけど…今から暇ですか…?」

おずおずと帝人は問い掛けた。

臨也も特に用事がある訳ではなく、暇を持て余していた。
帝人の様子からして、必ず、と言う用件ではないのだろう。絶対的に聞き出したいことがあるならば緊張を滲ませて訊いて来る筈だ。

臨也はそう思い、軽い気持ちで「暇だよ」と答えた。
ほっとしたような帝人は、普段の表情へ戻る。

「此処じゃ何ですから、家に来ます?」

「あのおんぼろアパート?」

「おんぼろですけど…はい、僕の家…です」

項垂れながら言った帝人を臨也は笑いながら、「いいよ」と返した。
話を聞きながら彼を弄るのも楽しいかもしれない。
そう思うことにしながら、帝人の家に行くことにした。





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