Novel1

□信頼の小話と、その情報屋の感情。
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まぁ、それが歪んだ愛として存在しているのは別の話さ。
なに、此方の話だよ。


誰もがどこかで、
過信している。
(助ければ助けられるという錯覚に過ぎない)
隠している。
(全てを打ち明ければ離れていくという感覚への恐怖)
利用している。
(自分という存在もその一種)


まぁ、それを壊すのも自分の楽しみだ。
信頼していた…いや、何かしらの見返りを求めていた相手に裏切られた表情は魅力的だと思う。
でも、何もかも予想通りの反応はうざったい。



おや、あまり聞きたくない様子だね。
じゃあ、これくらいで終わるよ。

それとも後ろめたくなった?
友達に裏切られた、という自分の考えは、実は被害妄想かも、なんて?

いやいや、ほんの冗談。
君が何処の「信頼の誤信」に属するかは知らないけどね。



人間の、欲望らしい欲望を集結、更に濃縮したような男は、手駒を指先で弄ぶ。



脆いくせに虚勢を張り、
弾丸みたいに突っ込んで跳ね返ったり、
死にたいと言って相手にされることを求めて、
簡単に壊れると知りながら自らの体を投じて、
時には、笑って、泣いて、怒って、



ああ、人間はこうだから愛しい。




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