Novel1

□信頼の小話と、その情報屋の感情。
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ひとつ、話をしよう。
なに、別に君のこと、なんて言わないさ。

あくまで、人間が好きな人間の、主観的であって、客観的な意見として聞いてくれ。



人間は、常に近くにいる人が信頼のおける存在で、
例え近くに居なくとも、分かり合った瞬間に隔たりは信頼へ変貌していく。


ある者は、
信頼した者は信頼してくれている者、と過信する。
またある者は、
信頼の二文字で奥行きを錯覚させ、その奥の部分を隠して全てを見せた振る舞いをする。
そしてある者は、
他人が自らに信頼(もしくは崇拝)を置いた瞬間にゴミから手駒にカテゴライズする。


…と、まぁ信頼なんて、少し捻れば欠陥が見え隠れする。
全てが、と、人間を全て見たことの無い自分が断言するのも難だが、
「真っ白で純粋で欠陥の無い信頼」
など、この世にひとつとして存在しない。


今の時代に、

「見返りは求めないの。
私が貴方を信じていられれば、それで満足。
貴方が私を嫌っても、
殺したいほど憎んでいても、
私は信頼を貫くわ。
貴方に銃を向けられたって、
貴方にドラム缶にコンクリートと一緒に詰められて海に沈められたって」

そんな信頼、している奴はいない。
いたら面白いけど、それこそ馬鹿げている。狂っている。



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