Novel1

□※君に溺れる。
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そのまま唇を重ねられ、なす術もなく呼吸ごと支配される。

「ふぅ…う…んっ…」

臨也の吐息混じりの喘ぎに混ざり、唾液が絡まる音が唇から零れる。
閉まらない口角からは唾液が溢れ、熱気で温まった身体を滑って落ちていった。
舌を引き出され、彼の口のなかに導かれる。
真似をするように舌を絡めれば、更に強く求められた。

頭がぼんやりする。思考を妨げられるのに、それが心地良い。
唇を離され、夢心地に臨也は静雄を見上げた。
身体の奥が疼く。
彼を易々と咥え込むその場所は、熱を求めるようにヒクヒクと震えていた。

欲しい。欲しい。

「シズちゃん…挿れて…」

囁く声は、溶けるように甘い。
静雄は、結局は自分の意向通りに動いてしまう臨也へ艶っぽい笑みを浮かべると、
手首を離し、臨也を再び壁立ちにさせ、自身をゆっくりと臨也に埋めていった。
ベッドルームでの行為、そして風呂場での処理の名目の行為。
随分と慣らされた身体は、静雄が巨根にも関わらず易々と静雄を呑み込んだ。
痛みはあるものの、待ちわびた熱が快楽を拾い集め、臨也の唇からは甘ったるい喘ぎが溢れる。

「ん…くぅ…ふぁ、ぅ…」

壁に爪を立てて、既に崩れそうな膝を必死で支える。
じわじわと体内を侵食される感覚に溺れてしまいそうだった。

どれほど彼が体内を犯したのだろう。
意識がぼんやりとする最中、結合部を指でなぞられ、体の奥が震えた。
肩越しに振り返れば、静雄の唇が額に触れた。

「挿ったから、動いて良いか?」

苛めるくせに、弄ぶくせに、変に気を遣う。
だから、嫌いになれないんだ。

「いいよ…大丈夫」

小さく笑ってそう言えば、再び額に口付けされ。
そして、ギリギリまで引き抜き、一気に腰を沈められ、腰が弓なりに反った。


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