リクエスト

□色恋ロジック
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体温の上昇する身体は、再び彼を求めているように感じた。
身体を幾つも重ねるうちに、彼のを求めるようになった淫らな身体は、自身の並べ立てた論理に嫌に一致する。

触れたい。触れられたい。
嫌われたくない。
愛されたい。
喘げば喘ぐほど、深みに沈んで浮き上がれなくなる。



長い濃厚な口付けを惜しむように、離した唇を銀糸が繋ぎ、耐え切れずにふつりと切れた。

「っ…はぁ、はぁ……」

上がった呼吸を整えながら、ドクドクと脳髄まで鳴り響く鼓動に、頭がくらりとした。

静雄は、真顔のまま言う。


「臨也が触れたいと思うなら触ればいい。
だから、俺が触れたい時にテメエに触れる。
複雑に考えるのはめんどくせぇ。
触りてぇって言うのが愛情なら、それも上等だろ」


静雄らしい、複雑な絡まりを嫌う言葉に、論理的な意見を真っ向から否定された。
しかし、それが悪い気分かと聞かれれば、そうではなく。

事実、壊されて欲しかったのだから。
この、何でも壊してしまう恋人に。


「本当に…やって欲しいこともやって欲しくないこともやってのけるよね…シズちゃんって」

「?」

臨也の顎を掴んだままで首を傾げた静雄。
クスリ、と臨也は笑みを零した。

「単純って事だよ」

「テメエ…」

距離が近いまま、静雄はあからさまに顔を顰める。
その様子に、臨也は柔らかい笑みを浮かべた。

普段の臨也から、柔らかな、暖かな笑顔が零れることを知っているのは、自分だけ。

個人的な優越を感じ、静雄はニヤリと悪戯をする子供のように笑う。



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