リクエスト

□色恋ロジック
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「シズちゃんは、色恋は論理で成り立っていると思う?」


ふと、臨也がそう言った。



事後、甘い雰囲気を引き摺ったままの臨也と静雄は、クイーンサイズのベッドの上で個々の時間を持て余していた。
臨也は裸のままで布団を被り、その中で足をぱたぱたとさせながら、愛用しているナイフを弄っている。
静雄も全裸のままの臨也の隣に潜り、天井をぼんやりと見詰めていた。

そんな中の不意な臨也の言葉に、静雄は理解しかねて臨也を不信感を滲ませた顔で見た。
すると臨也も、ナイフを弄っていた指を止め、静雄へ視線を交わらせる。

「幼馴染だとか、席が隣になったとか、タイプだったとか、
ま、好きになる形は色々だと思うけどさ」

「…だから何だよ」

また訳の解らない自己満足な論説が始まった、静雄はそう思いながら臨也から視線を逸らさないまま溜め息を吐く。
静雄の呆れを交えた態度に気がついていながらも、臨也は続けた。

「自らアピールしたり、会話に喜びを覚えたり、無意識に相手を誘ったり…
その後に冷めるか失恋するか成立するかにもよるけど」

ねぇ?と、臨也は静雄を上目気味に見た。
静雄はそんな臨也を横目に見遣る。


秀麗な顔付きは、一つ一つの仕草を何処か妖艶に染め上げ、扇情的にすら思わせる。
恋人同士、という偏見も混じっているかもしれないが、
確かに静雄の恋人は、見た目だけなら見目麗しい好青年。
…普段の高慢な態度は置いておいて。

その相貌で、無意識に色気を振り撒いているのが腹立たしい。
『誰にでもその表情を向けているのでは』
独占欲めいた、嫉妬。




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