Novel2

□love knot
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もし、このまま今以上シズちゃんを好きになってしまうのなら、この気持ちはどんな言葉で表現できるだろう。
好きじゃ足りない。愛しているじゃ足りない。でも、それ以上の愛の言葉なんて知らない。
だから、不安だよ。



つん、とまるで鳥が餌を啄むように触れた唇。
その甘く優しい感触に頬を緩めて、臨也は静雄に抱きつく。そうすれば、自動販売機すら持ち上げる静雄の腕が、臨也を優しく抱き締め返した。
あの甘い唇が好き。この暖かい腕が好き。全部が愛しい。

「シズちゃん…好き」

囁くように言えば、静雄の大きな掌が臨也の髪を撫でた。まるで、割れ物でも触るみたいに。

「手前ばっか言ってんな」

優しい声が、臨也の鼓膜を震わす。
でも静雄はこの先に続く言葉は言わない。気持ちを伝えはすれど、直接的な言葉まで言うのを見た覚えがない。
勿論静雄がそういう奴だというのを知っているし、口下手な分行動に移してくれるのも知っている。だから俺は、彼が愛してくれていると自信を持って言える。

そんなことを考えて頬を緩めていれば。

「何にやけてんだよ」

そう低く呟いた静雄は、臨也の頬に掌を添えた。どきん、と跳ねた鼓動に、赤く熱くなる顔。
ばれないで、と願うけれど。

「キスもするのに、これくらいで恥ずかしがるのかよ」

楽しそうに笑みを浮かべて言った静雄に、臨也は更に恥ずかしくなる。
ああ、もう。
好きなんだよ。シズちゃんが好きで好きでたまらないんだよ。

「好きだからに、決まってるだろ…」

ただ赤くなるだけじゃそれこそ恥ずかしくて、臨也はそう呟いて静雄をおずおずと見やる。
きょとん、と目を丸くしたものの、静雄はすぐに頬を染めて苦笑した。

「そりゃ、光栄だな」


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