Novel2

□※Disease
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「手前、それだけじゃイケねぇだろ。後ろも触ればいいじゃねぇか」

「…っ」

躊躇いながらも、言われた通りに自らの液で濡れた手を伸ばす。指先が触れれば、そこはひくんと震えた。
前を扱き気を紛らしながら、臨也は孔の回りを指でなぞり、思い切って指先を埋める。ざわり、と肌が粟立って、けれど内壁は異物の侵入を求めるように蠢いた。
自らの指ですらこの状態。静雄のペニスを求めるときのはしたなさといったら、想像するのも恥ずかしい。
しかし臨也は、ゆっくりと指を埋め込んだ。快楽を操作するには躾けられすぎた身体は、恥じらいすらも嘲笑う。

「手前のいいとこは何処だ?ちゃんと触れよ、分かるだろ?」

「…ば、か」

分かるに決まっている。今までも散々彼に啼かされてきたのだから。
掠めるだけで、身体から力が抜けるその場所。一気に絶頂へ落とされる場所。
臨也は恐る恐る、鉤のように曲げた指を、その場所へ伸ばした。

「…っんぁあ…!」

鼻にかかった嬌声が結びきれない唇から零れ落ちた。まるで今まで堪えた分の甘さを濃縮したような甘く爛れた声に、頭がぱちんと弾ける。
恥ずかしい。恥ずかしい。

「…ほら、気持ち良いんだろ?触ってやれよ」

「や、だ、恥ずかしい…!」

半ばパニックになり、臨也は思わず弱音を吐いた。
もう無理だよ。自分の指で喘ぐなんて、恥ずかしくてたまらない。
…しかし、プリンの恨みは大きいのか、臨也を辱しめることが楽しいのか、静雄は突然臨也の胸元に手を伸ばした。

「っひぅ」

静雄の指が、胸の突起を指で挟んだ。思わず息を飲むと、後孔は暖かい粘膜できゅうと自らの指を締め付ける。
既に頭が働かない。声は押さえなければ、そう思うことだけは出来て唇を結ぼうとするも、溢れる吐息に唇が戦慄いて上手くいかない。
思わず目を開けば、酷く楽しそうな、けれど官能的な静雄の顔が目に映って、胸が破裂せんばかりに高鳴った。

「ここは俺が弄ってやるよ。後ろと前は自分で弄れ。分かったな?」

耳元で囁かれた声に、蕩けた意識は素直に頷くしか出来なかった。
感じる場所には触れないように、そう思うも、意識よりも従順な指は静雄の乳首への愛撫に素直に動く。前に添えたままの指は、もう動く余裕もなかった。

「んん…ふ、ぁう…ひっ、ぁ、やぁ…」

普段なら舌も使って弄るというのに、今回は質が悪い。臨也を見て苛むためか、指先だけで執拗な愛撫をしてくる。
先端を指の腹で擦られれば、不躾に腰が揺れて、曲がった指先が前立腺をつついて結果自らを追い込んでしまう。
乳首に触れられただけで格段と上がった感度。その単純さが煩わしい。
恥ずかしいのに、それが更に臨也を窮地に追い込む。

「はぅ…も、ゃあ…!しずちゃん、っ、で、いきたい…!」

お願いだから。目の前にいるというのに自らの指で果てるなんて嫌だ。彼の熱で果てたい。
――すると、静雄は指を止めた。真っ赤になった乳首は、臨也の白い肌に艶かしく咲く。
はぁ、と一時安堵の息を吐くも、それも束の間だった。

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