Novel2

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先刻晒された内腿には、その直後よりも赤い花が咲き乱れた。仄かに桃色に染まる肌は艶かしく臨也の淫楽を示し、静雄の欲望を誘う。

「んっ…はっ、も、いいから…!」

堪えられないと訴える臨也の甘く響く声に、静雄は自身の唾液で濡れた内壁を蹂躙させていた指を引き抜いた。
既に張り詰めている自身を取り出すと、解れた臨也のそこに添える。熱を待ちわびる臨也の後孔は、物欲しげにひくんと小さく開閉した。
そこへ、膨らんだ自身をゆっくりと差し入れた。艶かしい呻きが喉元から響き、臨也の腕が静雄の首へ絡められる。

「まだ、入れてるから…んな、絞めるなよ…」

「んん…無理ッ…ぁ、はあ…ッああ!」

半ばまで埋められたところで腰を一気に沈められ、臨也は甲高い声を溢した。
指とは比べ物にならない質量と温度に、臨也は声を押さえる術がない。
下腹から響く熱は頭をぼうっとさせて、貪欲に快楽を求める。ひとりでに蠢く自身の淫猥な身体は恨めしくもあり、嬉しくもあった。

君が言うように、俺がまだ君にとって綺麗でいられているのなら。
俺が君を求めても良いのだろうか?君の熱に意識を委ねても良いのだろうか?
このまま奪われても、いいだろうか?

静雄の腰が、中を掻き回すように動き出した。ずくん、と射精感が増し、熱が溶け出す。そのまま、溶け合って繋がってしまえるんじゃないかとすら思えた。
それでも、目を閉じないように。彼をじっと見詰めて、霞む視界でその微細な表情の変化すら捉える。

想像ではない。
今確かに、本物の静雄に抱かれている。
抱かれたいと幾度となく願った、堪らなく愛しいシズちゃんに。

断続的な嬌声をあげる臨也の蕩けた瞳は、静雄の情欲を更に煽るには十分すぎた。
不意に唇が重なり、差し出された舌で唇を舐められる。それだけでぞわりとした感覚が背を這って、臨也はその舌を素直に受け入れた。
くちゅくちゅと唾液が絡む音が唇の隙間から漏れる。
止まない突き上げに唇が結べるはずもなく、口角からはどちらのものともつかない唾液が顎を伝い落ちた。
夢じゃない。爪をたてた静雄の背の温かさが、それを証明する。
唇が離れ見上げた顔は、今まで見たことなどないくらいに焦燥し、妖艶な瞳を持って臨也を求めていた。

「ふっあ!…あ、はあぁっ、しず、ちゃ――っふゃあ!」

静雄の突き上げの速度が徐々に早くなり、溜まった熱が堪えられないと勃ち上がり震える。既に限界まで張り詰めており、内壁を絡め蹂躙する静雄のものも同様に絶頂が近いのが分かった。
くらくら、目眩がする。息が詰まるのに、それすらも心地良い。煮えたぎるような熱が、身体を満たす。

「も、う、でる!あっ、あぁ!はぁ!」

「臨也…!」

官能的な声が名前を囁いたかと思えば、張り詰めた熱が臨也を突き上げ、爆ぜた。流れ込む熱が体内で煮えたぎり、臨也も溜まった欲望を喘ぎと共に吐き出した。


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