Novel2

□※「ねぇ、いかないで。」
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「ん…っあ、はぁっ…」

静雄が臨也の中に杭を奥まで埋め込んだのが分かる。
引き裂かれるような圧迫感に乱れる息を整えながら、静雄のシャツを握った。
そうしないと、彼が何処かへ行ってしまう気がして。

「大丈夫か…?」

心配する声に、臨也は顔を見ることも出来ないまま小さく頷く。
その表情を見るのが、怖くて。
俺を見つめている瞳は、その遠くの違う誰かを見ているんじゃないか、と思ってしまう。
疑いたくない。でも、疑わずにいられない。

始まった掘削に、痛みに詰まっていた息を吐き出す。
浅い位置で前立腺を突かれ、腰が弓なりに跳ね上がった。
痛みだけの行為に、快楽が徐々に滲んでいく。

「はっ…ぁあ、ん、ゃんっ」

もっと。
おねがい、もっと。
何も考えさせないで。

唇から転がるままに甘い嬌音を奏でて、「いたい」も、「いや」も「やめて」も、言わないように、圧し殺して。

「シズちゃん、っはぁ…
きもち、い…っ、アンっ」

声を上げれば、固く膨らんだ昂りは、臨也を深く穿った。
一際高く声を上げて身体を強張らせた臨也の腰を掴み、静雄は容赦なく奥を突く。
思考回路が動きを止めて、下肢から走る快楽に溺れていく。
喉が掠れるほどに声を上げて、求められることに今日も安堵を覚えながら、絶頂へ達する。
そして、静雄の欲望を腹の中に受け止めた。



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