Novel2

□※赤ずきんの恋人
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ニヤリ、と口許に笑みを浮かべた静雄に、どきりと胸が高鳴った。
…でも、流石にこれ以上の行為に及んで見つかったらただ事じゃなくなる気がする。

「シズちゃん、これ以上」

「しっ」

これ以上は止めた方が。そう言いかけて、静雄の手に止められた。
其処で、遠くから足音がしているのに気がつく。距離はあるため、声にはまだ気づかれてはいないだろう。

静雄も流石に危険だと思ったのか、電気を消しに行く。
一瞬で外の夕暮れと同調した室内で、臨也は安堵を抱きながら何処か不満も感じていた。
中途半端で終わるのはやっぱり好きじゃない。どうせなら最後まで、と思うけれど、それを口に出すのも憚られる。
もう帰るんだろう、と思い上体を起こして机から身体を下ろそうとした時だ。

此方に戻ってきた静雄は、机から降りようとした臨也の肩を掴むと、今度は俯せに机に押し倒した。

「ちょっと…!?」

どうにか反射的に手を付いたものの、机の冷たさに身体が震える。
何事かと焦って振り返ろうしたものの、
唐突に背に触れた静雄の指に、臨也は驚いて跳ね上がった。

「声上げるなよ」

「は、何――」

反抗しようとした瞬間、静雄の手が双丘を掴む。
驚いて抵抗しようとした瞬間、静雄の指が割れ目に触れた。

「っぁ…」

指先が触れただけで思わず身体を縮こませる。
無意識に力を入れてしまい尻をすぼませれば、静雄の指の存在を更に感じて恥ずかしさに胸が高鳴った。
バッと振り返れば、静雄は楽しそうな顔で臨也を笑う。

「黙ってねぇと見つかるぞ」

近くなる足音に、反論も出来ず黙った。
しおらしく閉じる蕾を弄ろうとする静雄の手を退けようとするも力は敵うはずもなく、
臨也のペニスを愛撫した際に濡れた指先が孔へ侵入し、抵抗のしようがなくなる。

「ん…ふ…ゃぁ…」

危険を感じて口許を手で覆えば、静雄の指は更に深く埋まっていった。
僅かな痛みは、孔を押し広げる指先に、直ぐに甘く消える。
息を殺したくても、静雄の指は臨也の内壁を苛み、声を抑えるので一杯一杯だった。

廊下から反響する足音が、直ぐ隣を通り抜けていく。
その間も、静雄は見つかることなど微塵も気にかけていない様子で、挿入する指を増やして、臨也の嬌声を誘う。

「ふ…ぅ、ん…はぅ…ひ…」

早く。早くどっか行け。
反響して響き続ける音に怯えながら、それに劣らないほど煩い自分の心音を、耳の奥で聞いていた。


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