Novel2

□※赤ずきんの恋人
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数十分後、漸く準備が終わり、隣の科学室に全て運んだ。
面倒臭かった、と思いつつふと窓の外を見れば、既に夕闇に包まれている。
早く帰りたい、と準備室に置いた荷物を取りに戻ろうとしたときだった。

「っわ!?」

突然静雄に腕を掴まれ、そのまま引き摺られるように空いている机まで連れられると、机の上に仰向けに放られた。
何事かと静雄を見ようと体勢を整えようとしたものの、静雄の手に手首を掴まれる。

そのまま、唇が降ってきた。

「んっ…ふ…」

ぺろり、と唇を舐められる。
口を開け、の合図だが、学校でこんなことをして良いものなのだろうか。
まぁ、キスだけなら許してやろう。そう思い、躊躇いつつも口を開いた。

直ぐに舌が割り込んでくる。
熱く滑った舌は、臨也の舌を絡めとり、満遍なく舐めていく。

「ふ…ぅ…は、ぁん…」

蛍光灯が煌々と照らす空間に、淫らな水音と荒い息遣いが響く。
頭が考えることを拒み始める。呼吸が乱れて、体が熱くなっていく。
シズちゃんの口付けは、唇を通り越して腰を溶かすように甘い。

唇が離れ、息を乱しながら静雄を見た。
その顔は、怒っているでも笑っているでもなく、真顔で。

「手前が挑発するから悪いんだよ」

「…俺がいつ挑発した?」

きょとん、とする臨也に、静雄は眉をしかめると、赤いシャツを捲り上げた。
驚きと羞恥で、シャツを戻そうとするが、静雄はそれを許さない。
臨也の制止の声にも耳を傾けず、その白い絹のような肌に指を這わせた。

「だめ…ってば、学校だよ!?分かってる!?」

「うるせぇ黙れ。
何で、彼氏でもねぇ門田が、手前と親しいんだよ。
焼きもちか、とか、恋人が他の奴と仲が良くて嫉妬する何が悪いんだ。」

言いながら、静雄の冷たい指が胸の突起を摘まむ。
びく、と肩を震わせた臨也を良いことに、静雄は容赦なくその突起を愛撫した。

嫉妬してくれたのは、素直に嬉しい。面倒臭いと思わない時点で、自分も末期だと思う。
だからといって、いつ誰が来るか分からないこの場所で行為に及ぶのは好ましくないし、それとこれとは話が別だ。

「っ…見つか、ったら、ん…どうするの、…ぁ…」

「見つからねぇようにしろよ」

声出すのは手前だからな、と、静雄は悪戯な笑みを溢す。
最悪だ。もし見回りの先生が来たら、どうするつもりだ。
電気も点けっぱなしだし、人が通れば一目瞭然すぎる。


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