Novel2

□イタズラ。
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「仕方ないじゃん…
シズちゃんは喧嘩相手だから、好き、なんて言えない…」

いや、今言ってるし。
心中でつっこみながら、その言葉を咀嚼し…意味に気がついた。

「…は?」

「シズちゃんの、ばか…」

そのまま臨也は突っ伏して。
すぅ、すぅ、
安らかな寝息が聞こえてきた。

寝やがった、こいつ。

ぽかんとしたまま、静雄はどうすることもできず固まる。

多分、いや、絶対、さっきのは寝惚けてた。
だから、心にも無いことを言ったに違いない。
じゃなきゃ、説明がつかねぇだろ!!

動揺する自分にすら動揺しながら、臨也を見下ろす。
このまま帰らない訳にはいかないだろう。
…でも、起こすのも怖い。

先刻の「好き」の言葉の意味を考えながら臨也を抱えると、そのまま自宅へ送った。
やっぱりその身体は軽くて、抱えた腰は華奢で、しなやかで。
壊さないように、なんて思ってしまった自分は、やっぱりさっきの寝惚けた言葉を真に受けてるのかもしれない。



***

漸く目が覚めた。
何をしたっけ、と、記憶がぼんやりし始めたところから辿る。

担任に連れていかれた静雄を弄ろうと静雄の机でぼんやりして待っていた。
そのうちに眠気が襲ってきて、居眠りのつもりで寝た。
…それから。

臨也の顔は、みるみるうちに赤くなる。

とんでもないことを口走った。
…いや、あれは俺が寝惚けてたから。
…でも、嘘じゃないのは確かで。
静雄が、寝言みたいなものだと思ってくれるのを願いつつ。

…でも。


気づいてくれたら、いいな。






END
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