Novel2

□イタズラ。
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今日もまた喧嘩をした。
相手は折原臨也の仕向けた他校の不良。

勿論、俺だって喧嘩をしたいわけがない。出来れば、平和に穏便に生きたい。
でも、それが出来ない怪力を持ち合わせているのは自覚している。
というわけで、圧勝。
明日も懲りずに、弱い不良やらヤクザやらを相手しなければいけないのだろう。

…しかし、学校としても喧嘩ばかりする不良児がいるなど、喜ばしくは無いことだ。
静雄だって、臨也と会わなければこんなにも喧嘩することは無かっただろうに。
「折原臨也が俺に仕向けるから、喧嘩するしかねぇ」
そんな理由が受け入れられるはずもなく、下校時間を過ぎるほど遅くまで担任と教頭に怯えられながら説教された。



「失礼しました」

低く呟いて職員室を出た静雄は、足を踏み鳴らしながら、荷物を置いたままの教室へ向かう。

納得いかない。
どうして、喧嘩をさせる奴じゃなくて、喧嘩をさせられる俺がこんな時間まで怒られなければならないんだ。理不尽にも程がある。

もう人気のない廊下を歩き、真っ暗な教室へ辿り着く。
窓側の端にある自分の席に辿り着くにはそのままでは頼りなくて、電気を点けた。
…そこで、人が居ることに気がつく。

「……臨也…?」

窓側の端、正に静雄の席。
黒い俯せた姿が、目に映った。

間違いない。この俺が見間違うはずがない。
あの学ランは、臨也だ。

どうして他人の席で突っ伏しているんだ。そう思いながら近寄るが、腕に埋めた頭はそのままで、何の反応もない。

寝ているのだろうか。というか、どうしてこんな時間まで教室にいるんだ。
帰りの挨拶の時点では、寝ていなかったはずだし…。

面倒臭いものの、このまま教室に置き去りも可哀想に思えて、起こしてやることにした。

「おい」

声をかけるが返事はない。ただ、深い寝息が響くだけ。
腕を引っ張れば起きるだろうか、と、手首を掴んだ。

「ほそ…」

思わず呟く。
手首を掴んだ親指と人差し指が重なる。
確かに手足が大きいのもあるが、まさかここまで細いとは。

何だか驚いて、胸は騒がしくなった。
力を入れて握ったら折れてしまうんじゃないか、と思うくらい、その手首は細くしなやかで。華奢だとは思っていたが、触れるとその細さは更に克明になる。


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