Novel2
□※地獄の温度
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「どうしてこんなことしてるの?俺なんか捕まえて、何するつもり?」
平静を装った笑みを浮かべながら問い掛ければ、静雄は血の匂いのするような笑みを零した。
ゾクリ、と背筋が凍るような感覚に、臨也はその目に僅かに畏怖を滲ませる。
静雄は、後退する臨也にゆっくりと歩み寄ると、その足で臨也の薄い胸板を思いきり蹴りつけた。
肺の中の空気が、無理矢理に搾り出される感覚と、肋骨への鈍い痛み。声も上げられずに、臨也は床に叩きつけられた。
「ふ…う…シズ、ちゃん?」
「何だ?」
ギリギリと、静雄の足が臨也の腹部を苛む。痛みに堪えながら声を紡ぐ臨也に対し、静雄は嫌に楽しそうで。
静雄は、その笑みを崩さないままに、再び口を開いた。
「手前、どうして俺の家に連れて来られたか、分かるか?」
「…は?分かるわけ、ないだろ、シズちゃんの考え、なんか…」
愚問だ、と言わんばかりにそう冷笑を零せば、静雄はどこか落胆したような表情を見せた。
しかしそれも一瞬で、次の時には既に苛立つ笑みを浮かべていた。
そして、明らかに臨也の気を逆撫でる口振りで言う。
「俺に服従するって言うなら、教えてやるよ」
は、と思わず声が漏れた。
馬鹿なのだろうか。否、馬鹿とは知っていたが、ここまでどうしようもない馬鹿だとは思っても見なかった。
「反吐が出る」嘲笑を滲ませて言ってやれば、静雄は怪訝そうな表情をしたものの、「なら、いい」と全てを断ち切った。
――もしこの時、プライドをかなぐり捨ててでも、服従を誓っていれば、何かが変わったのだろうか。
今更になって、そう思う。
静雄は、臨也を踏みつけていた足を退けると、視線を合わせるかのようにしゃがんだ。とは言っても、寝転がされていれば、見下ろされているに違いは無く、臨也は顔を歪ませて起き上がろうとする。
しかしそれは、静雄の掌に制された。
「ちょっと、いい加減にしてよ」
眉を顰めてそう言った時。
静雄の手が、臨也の服を捲くり始めた。
訳の分からない驚きと焦燥が入り混じり、臨也は兎にも角にも力任せに暴れる。
しかし腕が纏められていてはナイフを出す事もままならず、その上に足に乗られては身を捩るしか抵抗手段がなくなってしまった。
服の裾から潜り込み、腹をゆっくりと撫でる静雄の指は、ひんやりと冷たい。
「シズちゃん、やめ…っぁ!」
突然、胸にぞわりとする感覚が走った。
一瞬訳が分からず身を固めたものの、静雄の指先が胸の飾りに触れているのだと気がついて、頭の中が真っ白になった。
思わず上げられたその女のような声に、静雄はにやりと笑って、その突起を再び摘んだ。
びくん、と身体を跳ねさせれば、静雄はまるで一つの事に熱中する子供のように、恍惚とした表情を浮かべて臨也の乳首を弄りだす。
「シズちゃ、ん、やめろ…、って…」
まさかこんな小さな所が、こんなに下腹を擽るような快感を生み出すとは思わなかった。
初めて与えられたその未知の感覚に、臨也は変な声を出さないように必死に唇を噛む。
しかし唐突に、まだ慎ましやかな色の、弄られていなかった突起を唇で挟まれ、臨也は吐息を零してしまう。
僅かに上がりかけた嬌声に気付かれて、両の乳首を容赦なく愛撫された。
男なのに乳首まで性感帯だったのか、と思ってしまうくらい、その感覚は臨也の胸を焦がす。
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