Novel2

□※Happy birthday my lover!
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1月28日、0時。

「おめでとう、シズちゃん」

日付が変わり、臨也は満面の笑みでそう言った。
どうにかギリギリでケーキを作り終え、台所はそのままなのだけれど。

そのケーキの出来栄えに、静雄は関心の声を漏らす。

「手前、このケーキ…」

「ん、そう、作ったんだよ。
シズちゃんの家オーブン無いし、時間もきつかったからスポンジは市販だけど、その分デコレーションはいいでしょ?」

ね、とケーキをくるりと回して見せれば、もう20歳も疾うに過ぎた静雄は、キラキラと目を瞬かせた。
その様子に安心して、臨也もにこりと笑う。

「シズちゃん甘いもの好きだったし、ケーキならシズちゃんが乗り気じゃなくても大丈夫かな、って」

臨也がそう言えば、静雄は僅かに首を傾げて見せる。

「別に、乗り気じゃなく無かったけど」

「…ケーキ要らないの?」

唇を尖らせて低く言えば、「要るに決まってるだろ」と笑って言われて、自ずと顔が赤くなってしまった。
それを誤魔化すようにテーブルにケーキを置くと、臨也はキッチンへ向かう。
絞り袋に入って残っている生クリームは少なくない。

「どうする?これ、余ってるけど。明日なんか作ろうか?」

静雄は臨也の手元に目を向けて、好きにしろ、と言いかけ…
口を止め、にや、と笑った。

「プレゼント」

「は?」

「プレゼント、くれるんだろ?決めた」

嫌な予感。長年彼と絡んでいれば、嫌でも分かる。
静雄は、臨也に歩み寄ると生クリームの袋を取り、指先に少しのせると味見をするように舐めた。
その光景にどきりとしてしまったのを悟られないように、どうにか静雄を睨む。

「甘い」

「当たり前だろ、砂糖入ってるんだから」

そう反論すれば。

ちゅ、と軽い音。
それがキスだと気が付けば、顔が段々熱くなってくる。

「ちょっと、なに…」

動揺を隠しきれず静雄に問いかけるが、静雄は至って真顔で言った。


「プレゼント、手前でいい」


「…は?」

その意味を咀嚼し、顔が赤くなった。
確かに、当日のうちに用意が出来る…が、そういう問題ないだろう。
恥ずかしさに反抗しようとして口を開く。


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