Novel2

□※stubborn&spoiler
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臨也は深夜、静雄の家に来た。

付き合い始めて1年。
抱き合いもしたし、キスもしたし、セックスもした。
いつも、積極的な静雄がリードしてくれる。

他人からすれば、それに不満など有るようには聞こえないだろう。

…そう、それは男と女だったら。

俺は男だ。
男なら、攻めたいときもある。
…とは言っても、身体を占拠される感覚は捨てられないのは事実。
だから、自分は受けに回りつつリードする、と言うのが今日の目標。


臨也は深呼吸をすると、熟睡しているだろう静雄の家のマンションに足を踏み入れた。


静雄に渡されている鍵で家に入り、寝室まで辿り着く。
勿論、静雄は熟睡中。
起こさないようにそっと忍び寄り、静雄の腕を上に纏めてベッドの柵にくくりつけた。

どきり、どきり、
鬱陶しい心臓の音に、小さく首を振って意識を逸らす。
攻め、なんて、今まで女相手にしかしたことがなかった。
まるで流れ作業の様に、何処かで読んだ小説の見よう見まねでやれば、悦ばれた。
――その比ではないくらい、緊張している。

情けないな、と自分を叱咤し、
決心すると、臨也は静雄に馬乗りになり、シャツを捲った。

ナイフの斬痕。これはきっと、今日の昼間付けた傷。
そう思いながら、視線を上に上げていけば、ピンクに染まる突起に目がついた。

…シズちゃんはいつも、俺にどうしてた?
乾く口に唾液を溜めると、臨也はその場所へ唇を添えた。
ぴくり、と寝ているはずの静雄の身体が跳ねて、臨也は驚いて身構えたものの、
起きてはいなかったらしく、何事も無かったかのように深い寝息が響いた。

「はぁ…」

起きても大した問題は無いのだが、多分今だと精神がもたない。
紛らわしいな、と心中で毒づきながら、再び静雄の乳首に舌を這わせた。

身体に残る記憶を手繰りながら、目を瞑る。
舌先で先端を刺激されると、体が疼く。
全体を強く吸われると、震える。
甘噛みされると、腰が跳ねる。
シズちゃんに教え込まされた体は、細やかな愛撫でも反応してしまう。

勃ち始めた自身を考えないようにしながら、夢中で乳首にしゃぶりついた。


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