*Eternal Love

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シズちゃんが、俺を避けてる。

…そう気がついたのは、つい最近。
一昨日、挨拶を無視された。声をかけても、眉をしかめて此方を見ないし、昼休みはさっさと何処かに行ってしまう。
今日だって、同じ。

理由が分からない。
ここ最近大きな喧嘩をした覚えはないし、嫌がることをした覚えもない。
…確かに、馬鹿にしたりして怒らせたりしたけれど、今までだって言っていたし、次の日には覚えてないくらいの時もあった。
なのに、なんで突然。

――この前問われた、避けないのか、という言葉。
その意味すら、無駄に深読みしてしまう。…否、無駄な深読みだと信じたい。
…もしかしたら、間接的に、鬱陶しいから寄るな、と言っていたのかもしれない、なんて。

つい先刻、静雄が出ていった扉を見つめる。
溢れ出しそうな涙を堪えて、臨也は決めた。




「俺のこと避けてるだろ」

唐突な言葉に、静雄は目を丸くした。

臨也から逃げるように辿り着いた屋上。
それを追いかけてきた臨也から離れようとしたとき、不意にそう言われた。

どきり、と胸が大きく跳ね、痛くなる。
否定は出来ないのだ。確かに、最近俺は臨也を避けている。

「…だからなんだよ」

面倒臭そうな声を作って、臨也を見ないようにしながら屋上を出ようとした時だった。



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