*アイタイ。

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静雄は、今日別件で来るはずだった場所に、足を踏み入れた。

柊木組。
確か、建設事務所だと仕事の書類には記されていた。
きっと、職場の名義でも使ってパソコンからアクセスした奴でもいたのだろう。

申し訳程度に付けられたチャイムを鳴らすと、スーツ姿の男が出てきた。
営業用、と肩書きのありそうな笑顔を浮かべた男は、静雄に「只今立て込んでおりまして」と言う。

「仕事じゃねぇ、人を探しに来た」

静雄の言葉に、男は動じる様子もない。
人探しなら、私の知っている事務所を紹介しますよ、
そう言った言葉を聞き流しながら、静雄は事務所の中を覗いた。
人は殆ど居らず、ちらほらと見える人間も、さして忙しいという印象は受けない。

…その時だった。

酷く聞き慣れた声が、静雄を呼んだのは。




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