*ONE DAY, ONLY DAY

□Dairy.IZAYA ORIHARA
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折原臨也は情報屋だ。
自分が楽しむためなら多少の努力も損も惜しまないし、
その楽しむ材料を上手く揃えていくのにも、苦労をいとわない。

…そんな、ある意味で人間らしい人間の、よくある1日。



臨也は、無駄に爽やかな笑顔を振り撒きながら、池袋を歩いていた。

今日は、楽しい日だ。
臨也の仕事上の知り合いであるセルティ・ストゥルルソンと、ある一件で知り合った紀田正臣。
両者は互いに、間接的に相手を知っていて、「顔見知り」という関係以上の壁がある。
…まぁ、二人とも相手に慣れないからと言ってはね除けたりするタイプでは無い。
実際に、正臣と臨也の間には、正臣の意思に関わらず切れない糸が張っている。

「まぁ、俺のせいなんだけど、ね…」

呟きながら、その歩を進ませる。
新羅に秘密で渡した荷物がセルティによって正臣に受け渡され、きっと正臣と沙樹は電車に乗った頃だろう。

「運び屋も正臣くんも、俺が仕組んだって気がついてるだろうねぇ」

両者とも、勘は鋭い。
わざと微妙な関係の相手を引き会わせて楽しんでいることは、もう知れてるだろう。
まったりと言いながら、もう少しで昼時のため、喫茶店に入る。
とりあえず、昼食をとろう。
大通りで人間観察をして、
それから運び屋が通りそうな道に行って――

午後の予定を考えながら、臨也は小さく笑った。



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