*※涙花心中

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「は、あ!あァ、ひぁ!」

「卑しい身体だな、お前は…。そんなに男根が恋しいなら、何度もくれてやるよ…」

「ひっ、やあ、あン!」

容赦のない激しい突き上げに、頭がぐわんぐわんと平衡感覚を失ったような感覚に陥る。抜き差しされる秘所は痛みと快楽に犯されて、それが気持ち良いに値するのかもよく分からない。
多分、このままだと意識を失ってしまうだろう。
でも、それでも構わない。何も考えられないくらい、内壁も思考も掻き乱して欲しい。
――頭を掠める記憶にまだ零れそうになる涙を生理的なもののせいにして、甘楽は目の前の男の肩にすがりついて擦りきれた喉で喘いだ。



『…みかが、死んでた』

淡々と紡がれたその言葉を聞いたのも、もう五日も前の出来事。あれ以来静雄には会っていない。
当たり前だ、甘楽が桜の木に行っていない上に、静雄にも甘楽に会う理由などないのだから。
けれど、自分に負い目があることくらい自覚している。だから、会いたいと願って桜の木の下に行こうとも、きっと静雄は来ない。最愛であったみかが、もうあの場所に来ることはないから。

あの日の肩の痣は消えたけれど、心の痛みは酷くなっていくばかりだった。
今頃、桜は満開なのだろうか。結局、桜が満開になるのを見ることのないまま終わってしまうのだろう。
何にせよ、桜を見ることが目的では無くなっていたけれど。
――俺が変な高望みをしなければ、まだシズちゃんと笑い合える仲だったのかな。



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