Novel2

□※赤ずきんの恋人
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「…行った?」

反響音しか聞こえなくなった頃、臨也は震える声で漸く言った。
そうだな、と呟きながら、静雄は臨也の中を散々蹂躙した指を引き抜く。
ひく、と身体を震わせた臨也は、次に待ってるだろう展開に横目に静雄を見た。

「…するの?」

「じゃあ互いにおっ勃てたまま外を歩くのか?」

「……」

静雄のふざけた、けれど洒落にならない言葉に、臨也は黙る他が無い。

セックスになると途端にしおらしくなる自分は気に入らない。猫を被っているわけでも無いし、素でなってしまうのが腹立たしい。
…でも、この乱暴な獣のような奴に犯されるのは、嫌いになれないのだ。

大分大きくなった静雄の自身が宛がわれ、柔らかく解された場所へ、先端がゆっくりと挿入されていく。
指とは比べ物にならない温度と質量。押し広げられる圧迫感を、歯を食いしばって堪えた。
その殆どを呑み込み、静雄が動きを止めたと同時、臨也は詰めていた息を大きく吐き出す。

「痛くねぇか?」

「イッタイ、に決まって、んだろ…ばか、巨根、絶倫」

悪態を吐けば、静雄は「褒めてるのか?」とせせら笑う。
最悪だ、こいつ。そんな色を孕ませて静雄を睨んだものの、小さく腰を振られ、思わず目を瞑った。
そのまま、緩慢なストロークが始まる。

「ん…ぁ、ゃん、はぁっ」

痛みが徐々に引いていく代わりに、疼くような甘い感覚が強くなる。熱く猛る静雄のペニスは質量を増しながら、ストロークを大きくしていく。
静雄の先走りで、すっかり暗い理科室に淫猥な濡れた音が響き渡った。
耳を塞ぎたくなりながらも、揺さぶられることに指先まで感覚を支配されて、震える手指は強張って握ったまま。

「ぁ、や、んぁ…あ、ふぁっ
やんっ!」

突然、びくり、と身体に甘い痺れが走り抜け、一気に射精感が増す。
一際甲高い嬌声を上げた臨也に、静雄は婀娜めいた笑みを漏らすと、その一点を集中的に責めた。

「あ!んんっ、や、ぃやあ!あンっ」

あまりの強い刺激に、びくびくと身体を震わせながらはしたなく声を溢す。
小さな子がいやいやをするみたく首を振って机に額を擦り付ければ、静雄は相変わらず艶かしく笑って動きを止めた。

「エロい奴」

「違っ…ぁ…」

反論の口は、静雄の緩い腰の動きにすら止められる。
悔しい限りだが、もう大分限界が近い。
このまま焦らすつもりだ、
そう勘づいて静雄を涙の滲んだ瞳で睨めば、やはりその通り。


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