猟奇少年と純愛少女

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俺の部屋で作るのは良いが後片付けが大変そうだし、完成した物をいつまでもここに置いておくわけにもいかない。そもそも室内にこれほどのデカいナマモノを置くのは、少し抵抗がある。
しかし遠い所に運ぶのは不可能だ。
死体を引きずって行けば即逮捕。そんな間抜けな事は出来ない。


ではどこに置けば良いのだろう。
距離もさほど遠くなく、なるべく人目につかないルートでいける場所……。

散々考えて、ある一つの場所が思い当たった。確実に人目につかず、遠くない。しかも、そこなら作品を見ようと思えばいつでも見れる。

俺は部屋を出て物置部屋に向かった。ドアを開けると防虫剤の独特な香りが鼻をつく。
引出しの中を漁り、使わなくなった青いビニールシートを取り出した。思っていたよりもでかいけど、まぁ良しとしよう。

ビニールシートを抱えて物置部屋のドアを足で閉めると、今度は目当ての場所へ向かった。


リビングへ入り、その一面にある引き戸を開け、サンダルを履く。
何気なく辺りを見回す。
雑草は生えていないが、手入れもされていない。隅にはもう何年も使われていない植木鉢が無造作に積まれている。一面が土だけの、殺風景な光景が広がっていた。


久し振りに来たな。自分ん家の庭。


ここなら運ぶ時も誰にも見られないし、作る最中にも人目を気にしなくてすむ。
俺はこの時生まれて初めて、自分の家に庭があって良かったと思った。
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